『新劇場版☆ケロロ軍曹』は間違いなくファン必見 変わらないらしさと新作ならではの魅力

 ファンの期待に応えるように、今作の声優たちは随所であの頃を彷彿とさせるような演技を披露している。作品の顔とも言えるケロロ役・渡辺久美子の声は愛嬌たっぷりでかわいらしく、冬樹役・桑島法子との掛け合いは聞くものを元気にするようなエネルギーがあった。またハリのある声でツッコミを入れる夏美役・斎藤千和も、大きな存在感を放っている。

 さらにかわいらしい見た目と裏腹に凶暴な顔を併せ持つ“二重人格キャラ”のタママ(cv.小桜エツコ)と桃華(cv. 池澤春菜)の演技も見事。とくに桃華が冬樹の寝顔を見ながら「結局、今回もこの気持ちを伝えることはできないのかしら……」と乙女チックな言葉を発する一方、愛の気持ちを口に出す直前でタママに邪魔されて「タマ公……」とドスの利いた声に豹変するところなどは、懐かしさにあふれていた。

 極めつけは、ケロロ小隊の面々が“共鳴”するお決まりの場面だ。今作ではこの共鳴シーンがデルルとの決戦直前に用意されており、絶妙な盛り上がりが演出されている。そうした声優陣の奮闘を堪能できるという点だけでも、上質な音響設備が整った映画館で本作を鑑賞する意義があるのではないだろうか。

 そのほかアクション作画的な見どころとしては、ケロロ小隊がクルルの開発した「Newロボ」に乗り込んで戦うシーンなどは豪華なクオリティ。夏美たちの水着姿や魔法少女姿なども用意されており、サービス精神に満ちた作品となっていた。さらに細かい演出でいえば、物語序盤で冬樹がケロロに話しかける際にしゃがみこみ、さりげなく目線を合わせるシーンも印象に残った。

 また、本作は16年越しの劇場版最新作ということで、今までずっと応援しているファンに対してはもちろんのこと、特に新規ファンとなる現代の子どもたちを意識して作られた作品だと思われる。

■公開情報
『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』
全国公開中
出演:渡辺久美子、小桜エツコ、中田譲治、子安武人、草尾毅、桑島法子、斎藤千和、平松晶子、池澤春菜、石田彰、広橋涼、能登麻美子、長谷川忍(シソンヌ)、ジェシー(SixTONES)
原作:吉崎観音『ケロロ軍曹』(KADOKAWA刊)
脚本・総監督:福田雄一
監督:追崎史敏
キャラクターデザイン・総作画監督:小池智史
音楽:瀬川英史
主題歌:ano「貸しっぱなしデスティニー」
オープニング曲:ano & 粗品「また帰ってきたケロッ!とマーチ」
制作:BN Pictures
配給:KADOKAWA、バンダイナムコフィルムワークス
©吉崎観音/KADOKAWA・劇場版ケロロ軍曹製作委員会
公式サイト:https://www.bn-pictures.co.jp/keroro-anime/movie/
公式X:@keroro_anime

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