戸谷菊之介、『鉄鍋のジャン!』はデンジ役に続く転機に 「初めて本格的に挑戦できた」
7月5日よりテレ東系ほかで放送がスタートするTVアニメ『鉄鍋のジャン!』。1995年から2000年まで『週刊少年チャンピオン』で連載され、シリーズ累計発行部数1,000万部を超える西条真二の人気料理バトル漫画が待望のアニメ化を果たす。主人公・秋山醤を演じるのは、『チェンソーマン』のデンジ役などで知られる戸谷菊之介。「今の自分にとってターニングポイントになる作品かもしれない」と語る戸谷に、原作の魅力や秋山醤というキャラクターへの思い、アフレコ現場のエピソードなどを聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
ダークヒーローは「見ていて気持ちいい」
ーー『鉄鍋のジャン!』は30年以上前に生まれた作品ですが、原作に触れた際、どんなところに時代を超える魅力を感じましたか?
戸谷菊之介(以下、戸谷):オーディションのお話をいただいたときに初めて作品を知って原作を読んだんですが、すごく先見性のある漫画だなと思いました。今では当たり前になっていることが、30年前にはまだ一般的ではなかったんだと感じる場面がたくさんあって。たとえば中華料理でよく使われるXO醤も、当時は今ほど普及していなかったそうなんですが、この作品にはしっかり登場しているんです。今につながる要素がたくさん描かれていて、「30年前の作品なのにここまで描いていたんだ」と驚きました。
ーー料理以外で、現代にも通じるキャラクター描写はありましたか?
戸谷:さっきも他のキャストの皆さんと話していたんですが、小此木タカオのキャラクター性は結構令和の若者っぽいなと思いました。第1話で「賄いを作ってあげる」と言われた見習いの小此木が、「内臓、僕苦手なんです」って返すシーンがあるんですけど、先輩に対してもすごくフラットなんですよね(笑)。昔の作品なのに、今の若い世代にも通じる距離感があって面白いなと思いました。
ーー秋山醤は勝利のためなら手段を選ばない主人公ですが、その魅力をどう感じていますか?
戸谷:ジャンって、料理そのものを完全に勝負として捉えているところが面白いなと思いました。どうすれば相手に勝てるのか、どうすれば自分の料理をより美味しく感じさせられるのかを徹底的に考えていて、料理漫画なんですけど感覚としてはバトル漫画に近いんです。そういう駆け引きの面白さに最初から惹かれました。あとはジャン自身のキャラクター性ですね。相手を見下したような態度だったり、かなりストレートな言葉で挑発したり、勝負の仕方も含めて遠慮がない。その突き抜けた言動がすごく面白いと思いました。
ーー今の時代には珍しいタイプの主人公ですよね。
戸谷:そうですね、ダークヒーロー的な。みんなが心の中では思っていてもなかなか口にできないことを、ジャンは代わりに全部言ってくれるようなところがあります。しかも彼は考え方に一切ブレがない。秋山の料理に誇りを持っていて、自分の信念に従って行動しているんです。その姿勢が最初から最後まで揺らがないので、見ていて気持ちいいですし、だからこそ魅力的なキャラクターなんだと思います。
ーーアニメならではの魅力という意味で、完成した映像を観て特に印象に残った部分はありましたか?
戸谷:やっぱり料理ですね。料理に色がついて動き出すことで、煙の立ち方ひとつ取っても本当においしそうに見えるんです。監督がこの作品をすごく愛していて、料理描写にも強いこだわりを持っていると聞いていたんですが、実際に米粒ひとつひとつまで描いていると伺って、「だからこんなにおいしそうなんだ」と納得しました。実際に取材をしたり、料理を作ったりしながら描いているそうで、並々ならぬ熱量を感じましたし、料理表現はまさにアニメならではの見どころだと思います。