『プラダを着た悪魔2』裏主人公はエミリー “ヒット作の続編はつまらない”を覆す快作に
リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、1作目の公開当時は5歳だった佐藤が『プラダを着た悪魔2』をプッシュします。
『プラダを着た悪魔2』
そもそも、2006年のファッションはどのようなものだったのだろう。調べてみると、日本では「エビちゃんOL」や「小悪魔ageha系」といったスタイルが支持を集めていたらしい。中でも印象的なのが、今でも業界の第一線にいる益若つばさの存在だ。雑誌『Popteen』で大ブレイクし、“つばさちゃん現象”と呼ばれるほどの影響力を持ち、彼女が着た服やメイクは瞬く間に売り切れていたという。
そんな2006年の空気を追っていく中で、興味深い話にも行き当たった。米国のノースウェスタン大学の研究によると、「ファッションの流行は約20年周期で回帰する」というデータがあるという(※)。たしかに、いまY2Kファッションがリバイバルしていることを考えると、この20年周期には妙な説得力がある。そして『プラダを着た悪魔』の続編が約20年ぶりに公開されることも、考えすぎかもしれないが、どこか象徴的に見えてくる。
20年という時間は、流行だけでなく、人の価値観も大きく変える。前作でアンディは、自らの夢を叶えるため、世界中の誰もが憧れるミランダのアシスタントというポジションを手放し、ファッション業界とは別の道を選んだ。あれから時を経て、別々の道を歩んできたアンディとミランダが、『ランウェイ』存続の危機を前に再び手を組むことになる。変わり続ける時代の中で、ふたりがどんな選択をするのか……。流行りの最前線をいく『ランウェイ』だからこそ、価値観のアップデートは避けて通れない。20年の時の流れを描く続編の物語もまた、いまの視点で捉え直されるタイミングにあったのだと思う。
また、物語面で注目したいのが、ミランダの第一アシスタントとして君臨し、アンディに辛く当たっていたエミリー(エミリー・ブラント)の存在だ。彼女は、本作の“裏主人公”といってもいい。エミリー・ブラントのカメレオンぶりは本作でも健在で、彼女がフィクサー的な役割を担っていることは、観ればすぐにわかる。だが何より、1作目を知っているほど胸に迫るのは、彼女の“その後”である。前作でパリへ行くために食事制限までしていたにもかかわらず、チャンスをアンディに奪われた彼女が、その経験を経てどこまでたどり着いたのか……。続編では、エミリーをはじめ、サブキャラクターたちの変化もまた、物語の奥行きを広げているのがとても良かった。
参照
※ https://www.fashionsnap.com/article/2026-03-19/20-year-rule/
■公開情報
『プラダを着た悪魔2』
全国公開中
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、トレイシー・トムズ、ティボー・フェルドマン、ケネス・ブラナー、シモーヌ・アシュリー、ジャスティン・セロー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
監督:デヴィッド・フランケル
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
ー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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