あの、短編アニメー映画『しらぬひ』で主人公の少年役に 共演に花澤香菜&三木眞一郎
8月21日に公開される短編アニメーション映画『しらぬひ』の声優キャストとして、あの、花澤香菜、三木眞一郎の出演が決定。あわせて予告編が公開された。
本作は、『君の名は。』『すずめの戸締まり』を手がけたアニメーションスタジオ、コミックス・ウェーブ・フィルムの新作短編映画。スーパーの鮮魚コーナーで働くかたわら、フリーの映像作家として自主制作を続け、本作が商業アニメーション映画初挑戦となる片野坂亮が監督を務めた。
音楽は『ユーリ!!! on ICE』や数々のアニメの劇伴音楽を手がける作曲家、編曲家の梅林太郎、主題歌は『こちらあみ子』で劇中音楽と主題歌を担当し、第77回毎日映画コンクールにおいて音楽賞を受賞した青葉市子が担当。梅林と青葉は、青葉のアルバム『アダンの風』『Luminescent Creatures』で共同作編曲を担っており、本作でも再びタッグを組む。
物語の舞台は1996年、夏の終わり。熊本の海辺の町で暮らす10歳の少年・湊は、酒に溺れる父とふたりきりで、息をひそめるように生きていた。 湊の唯一の心の拠り所は、弁天島に現れる少女の神さま“べんちゃん”。 彼女と過ごすひとときだけが、湊にとって自分を取り戻せる時間だった。しかし児童養護施設への入所が決まり、べんちゃんとの別れの時が迫る。 湊は、ひとつだけ願いを叶えてくれるという、海に浮かぶ不思議な光“しらぬひ”に祈りを捧げるが、 父への憎しみが募るにつれ、その“祈り”は取り返しのつかない“呪い”へと姿を変えていく。 喪失と赦しの果てに、湊が辿り着く“ほんとうの願い”とは。
あのは、本作の主人公となる10才の少年・湊の声優を務める。彼女が演じる主人公の湊は、幼少期に母が出ていってしまって以降、酒に溺れた父と二人きりで暮らしているが、その家は床にゴミが散乱し、流し台には汚れた食器がうずたかく積まれている。湊の唯一の心の拠り所は、海辺の祠に宿る少女の神様・べんちゃんと過ごす時間。彼女だけが、湊が本心を話せる存在だったが、夏の終わりには湊は一時保護されることが決まっており、べんちゃんとの別れの時間も迫ってきていた……。
あのは「少年の声を吹き込むのは初めてで挑戦的でしたが、子供でありながら子供らしくいることのできない環境に身を置く10才の揺れ動く感情を精一杯演じさせていただきました」とコメントを寄せている。
花澤が演じるのは、湊の唯一の友である少女の神様・べんちゃん。風景に消え行ってしまいそうな儚さを帯びつつも、湊に優しく寄り添うべんちゃんについて、花澤は「不器用に懸命に生きている湊の姿を、ただひとり見守っているべんちゃん。美しい映像とは対照的に、湊の孤独や恨みに胸が痛みます。観ている皆さまにも、べんちゃんと一緒に彼の隣にいてあげてほしいです」と語っている。
三木は、湊の父親・マサル役を担当する。酒に溺れ、家を出ていった妻への思いをこじらせたまま、湊と向き合うことができず、少年の心に深い影を落としていく。そんなマサルを演じた三木は本作について、「『生き方』ではなく、『生きる』というコトに、向き合わされる作品だと思います。収録現場も緊張感に溢れておりました。多くの方に届くと嬉しいです」と言及している。
商業アニメーション映画初挑戦となる片野坂監督は、本作について「本作の登場人物は、心のどこかで愛を求めながら、すれ違い続け、やがて自分でも止められない衝動へとたどり着いていきます。願いは祈りであると同時に、誰かを縛り続ける呪いでもある。彼らの生きる様をありのまま描きました。この映画が、孤独な夜を過ごす人たちの心に、そっと寄り添えたらと思います」と語っている。
公開された予告編では、梅林が手がけた神秘的な音楽とともに、海辺に立つ母親と幼少期の湊の姿が。「お母さんね、くじらになってみたいの。湊だったら何をお願いする?」と幼い湊に語り掛ける母親の表情は見えないが、湊はまっすぐに母を見上げ、母の耳元ではくじらのピアスがきらりと光っている。しかし、10才になった湊と父親が住む家はゴミだらけで、母の気配はなく、ハエが飛び、荒れ果てた生活の様子が映し出される。
青葉市子による主題歌「しらぬひ」の歌声には、「湊の願いが命を消すことなら、お供え物も命だよ」というべんちゃんの声と、お供え物とみられる魚や蛙、湊の追い詰められたような表情、その震える手が少年の背中に伸びる不穏な様子が重ねられる。
コメント
あの(湊役)
主人公、湊役を演じさせていただきました。少年の声を吹き込むのは初めてて挑戦的でしたが、子供でありながら子供らしくいることのできない環境に身を置く10才の揺れ動く感情を精一杯演じさせていただきました。ぜひ劇場でご覧ください。
花澤香菜(べんちゃん役)
不器用に懸命に生きている湊の姿を、ただひとり見守っているべんちゃん。美しい映像とは対照的に、湊の孤独や恨みに胸が痛みます。観ている皆さまにも、べんちゃんと一緒に彼の隣にいてあげてほしいです。場面によって、神々しかったり親しみやすいお姉さんだったり印象が変わるべんちゃんですが、彼女が何者なのかにも注目してみてください!
三木眞一郎(マサル役)
「生き方」ではなく、「生きる」というコトに、向き合わされる作品だと思います。
収録現場も緊張感に溢れておりました。
多くの方に届くと嬉しいです。
片野坂亮(監督)
はじめまして、監督の片野坂亮です。本作の登場人物たちは、心のどこかで愛を求めながらすれ違い続け、やがて自分でも止められない衝動へとたどり着いていきます。
願いは祈りであると同時に、誰かを縛り続ける呪いでもある。痛みを抱えながら、それでも生きようとする彼らの声にならないものを描きたい。キャストの皆さまにはその思いをお伝えし、収録に臨みました。湊役のあのさんは、湊の胸の奥にある怒りや憎しみ、そしてそこに秘められた優しさを、まっすぐに表現してくださいました。収録を重ねる中で、その声は痛みに立ち向かう湊そのものになっていき、感情を瞬時に声へ乗せていく表現力に何度も驚かされました。べんちゃん役の花澤香菜さんには、本編では語りきれない背景や、湊に向けている感情についてお伝えしました。友達のような無邪気さ、姉のような距離感、母のような包容力、そして神さまとしての静けさ。そのすべてを、ひとつの存在として丁寧に宿してくださいました。
マサル役の三木眞一郎さんには、セリフの端々から見え隠れする父性を通して、あらためて彼が湊の父であることに気づかせていただきました。決して単純な悪ではなく、弱さや歪みを抱えた一人の人間として、マサルという人物に確かな体温を与えてくださいました。
また、ここにお名前を挙げきれない多くのキャストの皆さま、スタッフの皆さまの支えがあって、『しらぬひ』は形になりました。この映画が、誰にも言えない気持ちを抱えたまま夜を越えている誰かの心に、少しでも届くことを願っています。
■公開情報
『しらぬひ』
8月21日(金)新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
出演:あの、花澤香菜、三木眞一郎
原作・脚本・監督:片野坂亮
音楽:梅林太郎
主題歌:青葉市子
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
製作:しらぬひ製作委員会
配給:ギャガ
上映時間:35分(予定)
©2026 片野坂 亮/しらぬひ製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/shiranuhi/
公式X(旧Twitter):@shiranuhi_movie