稲垣吾郎×草彅剛×香取慎吾『バナ穴』はどんな異色作に? 山内ケンジとの化学反応に期待

 冒頭でも触れているように、新しい地図の3人が長編映画で顔を揃えるのはこれがはじめて。『クソ野郎と美しき世界』の公開以降、それぞれにキャリアを重ね、技を磨いてきた。稲垣は『幽☆遊☆白書』(2023年/Netflix)のような現実離れした作品で存在感を示すいっぽう、『窓辺にて』(2022年)や『正欲』(2023年)、『あんのこと』(2024年)といった、私たちの日常と地続きの世界を描いた作品にもフィット。ここ数年はさらに、演技者としての柔軟性が光っているように感じる。

 こういった“進化”は草彅にもいえること。朝ドラ『ブギウギ』(2023年度後期/NHK総合)で実在の人物をモデルにしたキャラクターを軽やかに演じたかと思えば、時代劇『碁盤斬り』(2024年)では怒れる“武士の魂”を体現。日本から世界に向けて放たれた『新幹線大爆破』(2025年/Netflix)のような派手で壮大なスケールの作品の看板を背負い、舞台『シッダールタ』(2025年)では座長として文学的なセリフの数々に命を吹き込む。彼の演技の振れ幅は、ますます大きくなっている。

 では香取はどうか。かつての彼は、非常にキャラクター性の強い役どころばかりを担っていた印象がある。孫悟空や両津勘吉に扮した姿を思い出せば、納得していただけるだろう。けれども映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』(2022年)やドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(2025年/フジテレビ系)などの主演作でのパフォーマンスに触れたとき、彼にしか踏み入れることのできない領域へと進んでいると感じたものだ。

 ポップスターとしての香取慎吾像をキープしたまま、それぞれの作品世界を背負ってみせる。もちろん、『凪待ち』(2019年)のようなハードさを持った作品に刻んだ乾いた演技も、間違いなく彼の新境地だといえるものだった。しかし、誰にもマネできないのは、自身が香取慎吾であることを演技の核としつつ、役を立ち上げてみせること。快活なイメージを崩さずに、作品を背負うこと。現在は三谷幸喜の作・演出による舞台『新宿発8時15分』で座長を務めている彼もまた、進化し続けている。

 さて、公開が待ち遠しい『バナ穴 BANA_ANA』では、そんな3人の歩みが「映画」という表現の場でクロスする。その個性も、俳優としての強みも、それぞれ違うものを持っている。草彅がそうであるように、彼らはソロでも世界と闘うことのできる存在だ。では、3人が揃ったらどうなるか。作品の良し悪しは観てみなければ分からないが、これだけは断言できる。絶対に平凡な作品にはならない。

参照
https://realsound.jp/movie/2026/04/post-2367576.html

■公開情報
『バナ穴 BANA_ANA』
2026年初夏、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国公開予定
出演:稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾、ファーストサマーウイカ、趣里、葉山さら、水野響心、鄭亜美、古舘寛治、小澤征悦、吹越満
監督・脚本:山内ケンジ
音楽:大城静乃
主題歌:「バナナのうた」
エグゼクティブプロデューサー:飯島三智、小佐野保
企画協力:多田琢、山崎隆明、権八成裕
プロデューサー:稲垣護、佐藤洋輔
協力プロデューサー:野上信子
音楽プロデューサー:緑川徹、丸橋光太郎
製作:CULEN、ギークピクチュアズ
制作プロダクション:ギークピクチュアズ
配給:CULEN、ギークピクチュアズ
©2026 BANA_ANA Film Partners
公式サイト:https://bana-ana.com/
公式X(旧Twitter):@bana_ana_2026
公式Instagram:@bana_ana_2026

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