木村拓哉は時代を超えて愛され続ける 『教場』シリーズで果たした見事なアップデート

 例えば、バラエティ番組『この世界は1ダフル』(フジテレビ系)に出演した際、Snow Manの渡辺翔太がニューアルバムを渡そうとすると、木村は受け取りを拒否した。なぜなら、そこに目黒蓮のサインだけがなかったからだ。木村には、CDを渡すときはメンバー全員のサインを書くべきであり、メンバーが欠けている状態で渡すのはグループとしての気遣いに欠けるという考えがあるようだった。それは、グループ活動をしてきた木村だからこその仕事の流儀にほかならない。そしてこの木村自身の哲学が、近年のドラマや映画の役柄にも生かされているように感じる。

 そんな木村にとって、2016年のSMAPの解散は、少なからずキャリアに影響を及ぼしたはずだ。逆風が吹いた時期もあったかもしれない。しかし、そんなときも『A LIFE~愛しき人~』(2017年/TBS系)、『BG~身辺警護人~』(2018年/テレビ朝日系)といったドラマにコンスタントに主演し、ソロでの活動を止めることはなかった。そして、いよいよ2019年『グランメゾン東京』が大ヒットを果たす。それは信頼を失ったシェフ・尾花夏樹がもう一度仲間を集め、再起にかける物語だった。その姿は、木村のこれまでの経験とも重なってみえ、木村拓哉の新章が始まったかのようでもあった。

 それにしても、木村は決して古びることがない。ただそれは、いつも同じままでいるということではなく、時代や年齢に合わせて自分を変革していったということでもあるのだろう。木村は『HERO』映画版の際のインタビューで、「求められることに応える。求められることの凄さは何にも代えられないと思うし。それが『できない』という一言で終わらせられることも、ありっちゃありなんでしょうけど、そこはなかなかできないですね」と話している(※2)。求められることに応え続けることで、自分自身をアップデートしてきたからこそ、木村拓哉は時代を超えて愛され続けているのだろう。

参照
※1. https://www.excite.co.jp/news/article/E_talentbank_306823/
※2. https://mantan-web.jp/article/20150802dog00m200025000c.html

■配信・公開情報
映画『教場 Reunion』
Netflixにて独占配信中
映画『教場 Requiem』
全国公開中
出演:木村拓哉、綱啓永、齊藤京子、金子大地、倉悠貴、井桁弘恵、大友花恋、大原優乃、猪狩蒼弥、中山翔貴、浦上晟周、丈太郎、松永有紗、佐藤仁美、和田正人、荒井敦史、高橋ひとみ、佐藤勝利、中村蒼、小日向文世、赤楚衛二、白石麻衣、染谷将太、川口春奈、味方良介、大島優子、三浦翔平、濱田岳、福原遥、目黒蓮、坂口憲二
原作:長岡弘樹『教場』シリーズ/『新・教場』『新・教場2』(小学館刊)
脚本:君塚良一
監督・プロデュース: 中江功
配給:東宝
©フジテレビジョン ©長岡弘樹/小学館
公式サイト:http://kazama-kyojo.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/kazamakyojo
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