劇場版『ミルキー☆サブウェイ』の快進撃 “もう一人の主人公”リョーコ視点を描く面白さ

 劇場アニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』の上映が、2月6日より始まった。同作は、亀山陽平監督が手掛けるショートアニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』の劇場版。公開3日間で興行収入1.5億円を突破したほか、週末観客動員ランキングで初登場4位に輝くなど、破格のヒットを記録している(※)。

 本稿ではそんな劇場版とショートアニメ版の内容を比較し、その内容がどんなふうにブラッシュアップされているのか紹介していきたい。

 まず同作のあらすじを振り返っておくと、主人公となるのは強化人間のチハルとサイボーグのマキナ。彼女たちは銀河道路交通法違反で逮捕されるが、刑務所に行く代わりに、奉仕活動を行うよう命じられる。その活動の内容とは、「ミルキー☆サブウェイ」と呼ばれる惑星間走行列車の清掃だった。

 しかし列車は突如暴走を始めてしまい、宇宙に向けて発進。彼女たちは同じく逮捕されていた宇宙暴走族の総長・アカネとその子分のカナタ、怪しい仕事に従事するサイボーグのカートとマックスとともに、この非常事態を解決しようとする……。

“本編の裏側”警察官視点が分かる仕掛け

 今回公開された劇場版はショートアニメ版を再編集した内容となっており、基本的な設定や物語の流れはほとんど変わらない。しかし新規カットや新キャラクターが追加されており、「本編の裏で実はこんなことが起きていた」ということが分かる仕掛けとなっている。そこで描かれているのは、警察官のリョーコを中心とした警察官サイドのストーリーだ。

 リョーコは刑期短縮プログラムの担当者で、“元ヤン”という設定。ショートアニメ版ではどこか気だるそうな態度でチハルたち受刑者の取り調べを行ったり、列車清掃を命じたりする姿が描かれていた。

 それに対して映画版では、リョーコの後輩にあたるアサミと、上司である銀京府警察署長・ハガが新キャラクターとして登場。3人の軽快でコミカルなやりとりによって、リョーコが普段から上司のハガに“問題児”扱いされていること、後輩のアサミに日々フォローされていることを示している。

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