池松壮亮が考える“誰かと一緒に夢を見る”意味 運命的な『豊臣兄弟!』秀吉役への思い

19歳の頃に仲野太賀と過ごした名古屋での日々

——序盤の見どころとして、第6回で藤吉郎が人質になり、小一郎が奔走するエピソードがあるそうですね。

池松:第6回で藤吉郎は人質となり、小一郎がものすごい活躍を見せてくれます。その話のタイトルは”兄弟の絆”で、兄を信じ命がけの交渉に出る小一郎と、弟をただ信じて待つ兄とが描かれます。秀吉の人生は、「一か八か」を繰り返しているように思います。自分の生き死にを天に任せられること、そこで笑える豪胆さ、そして弟を信じられること。それが秀吉の常人離れした性格だと捉えています。翻弄されながら一生懸命心を尽くす小一郎が、またあまりに素敵ですし、二人の関係性を象徴するようなエピソードになっていると思います。

——役作りにおいて、何か参考にされたものはありますか?

池松:緒形拳さん主演の大河ドラマ『黄金の日日』(1978年放送)や、竹中直人さん主演の大河ドラマ『秀吉』(1996年放送)をはじめ、素晴らしい先輩方が演じられてきた秀吉がいますが、今回映像作品は観ないようにしました。というのも準備期間中に、大河ドラマ『独眼竜政宗』で勝新太郎さんが演じた秀吉を観てみたときに、あまりに強烈なオリジナリティがあって素晴らしくて……。「戦国時代に勝新さんがそのまま生きていて、それでいて秀吉に見える」という恐ろしい表現に畏怖を感じて、これは観るのはやめようと(笑)。準備段階では様々な本に触れました。中でも司馬遼太郎さんの『新史 太閤記』を読んだとき、とびきり自分の中にフィットするものがありました。「これなら自分が膨らませていけるかもしれない」という手がかりをいただき、今でも迷ったときはページをめくり、バイブルのように持ち歩いています。

——秀吉ゆかりの地である名古屋には、行かれたことはありますか?

池松:19歳の頃、1カ月間名古屋に滞在したことがあります。NHKの『15歳の志願兵』という終戦ドラマの撮影で、その作品で仲野太賀くんと初めて親友役として共演しました。ホテル暮らしで、撮影がない日もいつも一緒にいて、公園に行ったり、観覧車に乗ったり、栄の街で過ごした思い出があります。名古屋といえば、いまでも太賀と過ごしたあの日々を思い出します。その場所が兄弟の生まれの地であったことは、当時はまだ知りません。不思議な巡り合わせを感じています。

——最後に、このドラマを通して視聴者にどんなメッセージを届けたいですか?

池松:そのことを最後まで探し続けていきたいなと思っていますが、戦国時代をあえて今描くこと、そこに新しい視点として、豊臣秀長という人を立ち上げることの意味。令和と戦国という遠く離れた時代を接続するために、秀長という人にスポットが当たったのだと僕は思っています。戦国乱世を生き抜く人々の、生命の輝きと温もり、命の躍動をこの時代にお届けしてみたいと思っていますし、兄弟の絆の物語として、ひとりではなく「誰かと一緒に夢を見る」ということ。そうしたことが伝わって、視聴者の方に活力や勇気を与え、毎週楽しく見てもらえるドラマにしていきたいです。世界中のきょうだいに向けるような気持ちで、心のこもったドラマをみんなで目指してみたいです。

■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石 聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi

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