『DREAM STAGE』中村倫也に叱られたい人続出? 厳しさと人間味が共存する令和の指導者像

 中村倫也に叱られたい――。金曜ドラマ『DREAM STAGE』(TBS系)第2話を観て、そんな感情を抱いた視聴者は少なくなかったのではないだろうか。それだけ中村が演じる吾妻という人物が、今の時代において希少になりつつある「厳しさを引き受けた温かな大人」として立ち上がっているからだ。

 第1話の吾妻は、落ちこぼれボーイズグループ・NAZE(ネイズ)のメンバーに対して、徹底したスパルタを敷く存在だった。甘えを許さず、情を見せず、結果を出せない者を容赦なく切り捨てる。その姿は、努力を美徳とし、耐えることを当然としてきた“昭和的指導者”の影を色濃く帯び、視聴者の中には違和感を覚えたという人もいたはず。もしかしたら、第一印象に嫌悪感すら持った人もいたのではないだろうか。

 しかし第2話では、その印象が確実に変化している。いやいやながらも吾妻は自宅を合宿所として提供し、NAZEを生活ごと引き受ける。言葉は相変わらず厳しいが、行動は明らかに「チームを懐に入れた者」のそれだった。言動の奥に滲んでいるのは、キツイ指導を受けても「きっと這い上がってくる」という信頼である。NAZEのマネージャー・水星(池田エライザ)への態度も同様だ。

 高校時代にいじめられた経験から、自分を強く押し出すことができなくなってしまった水星。そんな彼女が口にする「全力」に対し、吾妻は「あんたの全力は、ありんこレベルだな」とバッサリ切り捨てる。さらに、「だいぶ前から考えていた」というプロモーション案に対しても、「だったらなんで今まで実行しなかった?」と容赦なく問い詰める。

 冷酷にも聞こえる言葉だが、それは彼女を突き放すためではない。殻を破るために必要な圧力を、あえて一身に引き受けているように見えた。その証拠に、奮い立った水星の背中に向かって、小さな声で「頑張りなさい」と呟く姿が描かれた。

 動き出せば、うまくいかないこともある。思わぬ壁にぶつかり、自分の至らなさに向き合い、傷つくこともある。だからこそ、「こうなれたらいいのに」と願うだけでは何も変わらないのだと、吾妻は突きつけたのだろう。成功するまで諦めずにやる。それが成功に辿り着く、ただ一つの道なのだと。

 そうした「嫌われ役を買って出る大人」として、第2話にはダンサー・振り付け師のNOSUKEがダンスのコーチ役で登場している点も印象的だった。NOSUKEは「タイプロ」ことオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)でダンストレーナーを務め、オーディション参加者たちに鋭くも熱い言葉を投げかける姿が大きな話題を呼んだ存在だ。NOSUKEが体現してきたのもまた、厳しさと責任を同時に引き受ける大人の姿である。

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