『テミスの不確かな法廷』がグループケアを描いた意図 「想像へとつながるきっかけになれば」
松山ケンイチ主演のNHKドラマ10『テミスの不確かな法廷』の第3話に出演した小籔伸也、上野真之介、青木遥音、林千愛、制作統括・神林伸太郎からコメントが到着した。
本作は、『宙わたる教室』の制作スタッフが新たに挑む法廷ヒューマンドラマ。和久井が演じるのは、発達障害の特性を持つ裁判官・安堂が13歳の時に出会い、彼の発達障害を診断して以来、ずっと経過を見守り、相談に乗り続けてきた、精神科医。安堂が唯一心を許せる存在である一方、かつて自身が担当した精神鑑定の結果によってもたらされた悲劇を今も胸に抱えており、温かさと影の両面を持っている。
第3話の冒頭では、当事者同士が活発に意見を交わしていたグループケアの場面が再現された。このシーンは本作に共感した発達障害のある俳優の出演によって実現し、出演した小籔は「松山ケンイチさんが撮影前に話かけてくれて、ディスカッションする雰囲気を作ってくれたので、和んだ状態でお芝居ができました」と撮影を振り返った。共演の上野は「グループケアのように当事者同士が集まって話す機会があれば、ぜひ参加したい」とコメント。
同じシーンに臨んだ青木は「松山さんが(相槌で)頷くタイミングがリアルでした」と松山との共演について語り、林も松山の演技について「特性の研究もされていたのかな」と触れた。
また、制作統括の神林は「物語の都合だけで描いてしまうことのないよう、発達障害について学び、専門家の先生や当事者の方々に取材を重ね、表現のあり方を慎重に検討してきました」と、本作にかける想いを語った。
コメント
小籔伸也
セリフもあって緊張したんですが、松山ケンイチさんが撮影前に話かけてくれて、ディスカッションする雰囲気を作ってくれたので、和んだ状態でお芝居ができました。一方で撮影が始まると、松山さんははっきり切り替えて、目線で落ち着かない感じを表現していて、さすがだなと思いました。
上野真之介
松山さんにはずっと(「デスノート」の)Lのイメージがあったのですが、今回その面影はなく、特性の雰囲気が出ていたので、プロフェッショナルだなと感じました。また一緒に共演させて頂きたいと思いました。(自分はグループケアには参加したことがないので)グループケアのように当事者同士が集まって話す機会があれば、ぜひ参加したいと思いました。
青木遥音
誰がどんな演技をすれば良いか、撮影までの間、とても緊張しました。松山さんとお会いするのも初めてだったので、それも緊張しましたが、松山さんが(相槌で)頷くタイミングがリアルでした。
林千愛
松山さんは、同じセリフを何回言っても、初めてやったかのような雰囲気でお芝居をされていました。特性の研究もされていたのかなと思って、自分たちの特性と似てるなぁと感じました。(私は)顔がこわばってしまうことが多いのですが、出演させていただいたことで、実際の緊張感を出せたかなと思います。
神林伸太郎(制作統括)
たくさんの方にご視聴いただきありがとうございます。本作は、主人公・安堂を通じて、発達障害のある方が悩んだり工夫したりしながら生きていることを知っていただくと同時に、(発達障害に限らず)周囲にカミングアウトできない悩みを抱えている人がいるかもしれない——そんな想像へとつながるきっかけになればという思いで制作してきました。
物語の都合だけで描いてしまうことのないよう、発達障害について学び、専門家の先生や当事者の方々に取材を重ね、表現のあり方を慎重に検討してきました。例えば安堂の「僕は宇宙人」というセリフ。当事者の方がどう受け止めるのかを取材する中で、私たちの想像以上に世間との距離を感じ、この言葉に共感される方が多いことを知り、ニュアンスも踏まえながら脚本に反映しました。しかしながら、特性の現れ方や悩みは人によって千差万別なので、表現の正解は一つではありません。
脚本だけでなく、撮影、編集、つける音楽に至るまで制作者の都合になっていないか、議論を重ねながら、今も作品と向き合っています。
キャスト・スタッフが一丸となり、心をこめて制作した『テミスの不確かな法廷』。第4話以降もどうぞ、よろしくお願い致します。
■放送情報
ドラマ10『テミスの不確かな法廷』
NHK総合にて、毎週火曜22:00~22:45放送(全8回)
※毎週金曜24:35〜25:20再放送
NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
出演:松山ケンイチ、鳴海唯、恒松祐里、山崎樹範、山田真歩、葉山奨之、市川実日子、和久井映見、遠藤憲一 ほか
原作:直島翔『テミスの不確かな法廷』
脚本:浜田秀哉
音楽:jizue
演出:吉川久岳(ランプ)、山下和徳、相良健一、富澤昭文
制作統括:橋立聖史(ランプ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、渡辺悟(NHK)
写真提供=NHK