『呪術廻戦』第3期OPはなぜパロディ特盛? 映像のなかで示唆される“黒幕”の思惑

 TVアニメ『呪術廻戦』の第3期「死滅回游 前編」が、1月8日深夜よりMBS/TBS系28局スーパーアニメイズムTURBO枠にて放送スタート。SNS上では早くも大きな話題を巻き起こしているが、そのなかでOP映像をめぐるちょっとした論争も勃発していた。

 議論の争点となっているのは、主に映像のなかに仕込まれているパロディ/オマージュの是非だ。本稿では実際にどんな意見が飛び交っているのか紹介しつつ、その意見にどこまで妥当性があるのか考えてみたい。

TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」ノンクレジットOPムービー/OPテーマ:King Gnu「AIZO」|毎週木曜深夜0時26分(24時26分)~MBS/TBS系28局にて放送中!!

 新OPに使用されている楽曲はKing Gnuの「AIZO」で、主人公・虎杖悠仁をはじめとしたキャラクターたちが登場するスタイリッシュな映像となっている。

 そこでは古今東西さまざまな作品のパロディが用いられており、たとえば虎杖や天元、九十九由基など7人の登場人物が横並びになるカットは『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』のOP映像が元ネタだと思われる。

 さらにそうしたアニメネタよりも印象的なのが、有名絵画からのパロディだ。虎杖と虎杖母を描いたカットはエゴン・シーレ「死せる母1」、幼少期の真希・真依姉妹が寝ているカットはペーテル・パウル・ルーベンス「眠る二人の子供」、鮮やかな花をバックとした夜蛾正道とパンダのカットはクロード・モネ「庭のカミーユ・モネと子供」といった具合で、ほかにもエドヴァルド・ムンクやグスタフ・クリムトの絵画を連想させるカットなどがあった。

 また西洋絵画ばかりではなく、浮世絵師・歌川国芳による武者絵、美術家・横尾忠則による「Y字路」など、日本の名画からの引用も見られる。

 現代的なタッチによるアニメーションに、誰もが知る有名絵画の記憶が挟み込まれるという構成はハイセンスで、日本のみならず海外のアニメファンたちも大きな盛り上がりをみせている。

 その一方、「なぜ今回パロディ/オマージュを入れたのか」という疑問を抱く人もいるようで、X(旧Twitter)上では「オマージュだからすごいというわけではない」「オマージュする必要性がわからない」といった意見が見受けられた。

 とくに比較対象として、同じくMAPPAが制作した『チェンソーマン』1期を挙げる人も。同作のOP映像はクエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』、コーエン兄弟の『ノーカントリー』や『ビッグ・リボウスキ』など、さまざまな有名映画を連想させるカットが仕込まれていた。

『呪術廻戦』『チェンソーマン』 映画好き作者が産むヒット作が提示する“引用”の重要性

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 このパロディに関しては、原作者の藤本タツキが大の映画好きであることや、作中人物のマキマが映画鑑賞を趣味としているという設定などが文脈としてあったため、原作ファンからも好意的に受け止められていた印象だ。

 しかしそれを踏まえるなら、『呪術廻戦』第3期のOP映像に関してもしっかりとした文脈が存在すると言うべきだろう。

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