細田佳央太、2026年は「“大きな賭け”になる」 『町田くんの世界』から“変わらない”基盤
1月2日・3日の2夜連続で放送されるNHKの東野圭吾スペシャルドラマ『雪煙チェイス』。主演を務めるのは、『町田くんの世界』で映画初主演を果たし、NHK大河ドラマ『どうする家康』、そしてNHK連続テレビ小説『あんぱん』と、着実にキャリアを積み重ねている細田佳央太だ。細田が演じるのは、殺人の容疑をかけられた大学生・脇坂竜実。脇坂は自身のアリバイを証明するため、スキー場である人物を探すことに。ムロツヨシ演じる刑事・小杉との追走劇や、雪山での過酷な撮影、そして出演作が続く今の心境について、細田に話を聞いた。
“釜じい”吉田鋼太郎との再会
――2025年は朝ドラ『あんぱん』への出演もありましたが、本作の撮影タイミングはいつ頃だったのでしょうか?
細田佳央太(以下、細田): 実は撮影自体は2025年の冬でした。『あんぱん』が放送される前にこの「雪煙チェイス」のお声がけをいただいて、まだまだ未熟者な自分に主演を任せてもらえることがすごくうれしかったですし、だからこそ「頑張らなきゃいけないな」という気持ちが強かったですね。
――東野圭吾さん原作のドラマということで、視聴者からの期待値も高い作品です。細田さんご自身は、東野作品とどのように触れ合ってきましたか?
細田: 僕はどちらかというと、小説というよりは映画から入ることが多かったです。『マスカレード』シリーズや『ガリレオ』シリーズなどを観てきました。本をあまり読まない自分でも一番初めに覚えた作家さんが東野圭吾さんと池井戸潤さんだったので、その作品に出演できるのはすごくうれしかったです。
――今回の脚本を読んでみて、サスペンスとしての面白さや人間描写についてどう感じましたか?
細田: サスペンスと言いつつも、お正月に放送されるということもあって、後味が悪い作品ではないんです。ハラハラする展開もありつつ、最終的にはほっこりしたり、クスッと笑えるポイントが多かったりします。変にシリアスになりすぎないバランスは意識していました。それと、僕が演じる脇坂と、醍醐虎汰朗くん演じる友人の波川の友情物語がかなり濃く描かれています。リアルで醍醐くんと仲良くならないとこの二人の雰囲気は作れないな、と考えていました。
――ミステリー作品だと「この友人も実は裏切るのでは?」と疑ってしまいがちですが、二人の友情は本作の核になっていますね。
細田: そうなんです。僕と醍醐くんの中では「ここの友情が一番」と思うくらい大切にしたかった部分です。
――今回はムロツヨシさんとのW主演です。ムロさんはコミカルなイメージが強いですが、今回は“封印”されていますね。
細田: はい。今回の小杉さんという刑事役に関しては、世間のパブリックイメージにあるようなコメディアンな感じではなく、ストレートなお芝居をされています。以前、『どうする家康』でご一緒したときは、秀吉役で明るさと暗さの二面性が絶妙だったのですが、今回のムロさんはあえて「波がない」というか。警察という立場もあり、僕がバタバタしている分、ムロさんはどっしりと構えていらっしゃる。どちらも本当に勉強になりました。
――そして、ムロさんの上司役として吉田鋼太郎さんも出演されています。『あんぱん』視聴者は、細田さんと吉田さんの“豪ちゃん×釜じい”の再共演を期待してしまいますね。
細田:実は吉田さんとは一緒のシーンはなかったんです。でもお会いしたく現場にご挨拶に行きました。吉田さんとは、真面目な話をしたというよりご飯の話ばかりしていたんですけど(笑)、やはりエネルギー量がすごいですね。0から100へ持っていく馬力が桁違いで、それは『雪煙チェイス』の現場を覗かせていただいた時も改めて感じました。
――今作は広大なスキー場が舞台です。3週間ほどの雪山ロケだったそうですが、いかがでしたか?
細田:地方ロケの楽しさを存分に味わいました。夜、撮影がなければみんなでご飯に行ったり、お話しをしたり。僕がお酒を飲める年齢になったタイミングがコロナ禍と重なっていたので、地方ロケの楽しみを今回初めてちゃんと経験させてもらった感覚です。決められたメンバーでグッと集中して撮る分、都内で撮影するよりもキャスト同士が仲良くなるスピードは早かったと思います。
――スノーボードのシーンもご自身で演じられたそうですね。
細田: 楽しかったですけど、寒かったですね……(笑)。吹雪いた日なんかはたまらなかったです。天候ばかりは祈るしかなくて、下の方は晴れているのに上の方は吹雪いている、なんてこともありました。スノボの練習に関しては、毎回焦りがつきまといます。僕は不器用な人間なので、人の倍練習をしないといけないと思っていて。どれだけ練習時間があっても「これで足りているのかな」と不安になるんです。最初は心が折れそうになりましたけど、根気強く指導していただいて、最終的には前のめりで楽しめました。スノボは今後もプライベートでも続けたいですね。
――劇中では、脇坂と波川の二人がある種「非日常」な雪山へ逃避行に出るわけですが、その高揚感のようなものは演じていて感じましたか?
細田:そうですね。本人たちはいっぱいいっぱいでしょうけど、いつもと違う状況に置かれたからこそ、普段言えないような「ありがとう」がお互いに言えたりする。そういう非現実的な状況だからこそ深まる友情みたいなものは、映像にも出ているといいなと思います。