キリル・セレブレン二コフ監督新作 『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』2026年2月27日公開へ

 『LETO -レト-』『チャイコフスキーの妻』『リモノフ』などのキリル・セレブレン二コフが監督を務めた映画『The Disappearance of Josef Mengele(英題)』が、『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』の邦題で2026年2月27日よりシネマート新宿、シネスイッチ銀座ほかにて公開されることが決定した。

 第78回カンヌ国際映画祭に正式出品された本作は、2017年にルノードー賞を受賞したオリヴィエ・ゲーズのベストセラー小説『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』が原作の伝記映画。第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ収容所で戦慄の実験を行った医師ヨーゼフ・メンゲレ。“死の天使”と呼ばれた彼は終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と捕まる中、彼は戦犯を追求するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、歪んだ思想を持ったまま、日常の世界に溶け込んでいく。

 本作はメンゲレの潜伏生活に焦点を当て、息子との対話、モサドによる追跡を交錯させながら、アウシュヴィッツ収容所での“過去”はカラーで、“現在”はモノクロ映像で、ナチズムに支配された男の狂気を冷徹に浮かび上がらせる。『イングロリアス・バスターズ』『名もなき生涯』のアウグスト・ディールがメンゲレ役を演じた。

 あわせて公開されたポスタービジュアルでは、逃亡中のヨーゼフ・メンゲレが鏡の前で怪訝な面持ちで佇んでいる瞬間が切り取られている。室内は白黒で表現されているが、鏡の中に映り込むメンゲレの姿はかつての栄光を思わせるかのように彩られている。だが、実体である肉体とタイトルロゴは罪の追跡を逃れ続ける彼自身を表すようにぼやけて消えていく。

 さらに、日本公開決定に際して、セレブレン二コフ監督から特別に日本の観客へメッセージが到着。何度も日本を訪れ、日本の文化に深い興味を持つセレブレン二コフ監督は「『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が日本で上映されることは私にとって嬉しく、非常に光栄なことです。本作は謎多きナチスの医師ヨーゼフ・メンゲレという人物に焦点をあてます。彼は第二次世界大戦中で最も凶悪な戦争犯罪者の一人でありながら、30年もの間、罰から逃れ続けました。逃亡先で名前を変え、他人として生きる――おそらくこれが、ナチスの高官であったメンゲレにとって一番の屈辱だったでしょう。本作は、戦争によって魂を破壊された人間の内面では一体何が起こるのか?を描いているのです」と語っている。

■公開情報
『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』
2026年2月27日(金)シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開
出演:アウグスト・ディール、マックス・ブレットシュナイダー、フリーデリケ・べヒト
監督・脚本:キリル・セレブレンニコフ
原作:オリヴィエ・ゲーズ『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 (東京創元社・創元ライブラリ刊)
配給:トランスフォーマー
2025年/フランス・ドイツ合作/ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語/135分/モノクロ(一部カラー)/5.1ch/原題:Das Verschwinden desJosef Mengele/英題:The Disappearance of Josef Mengele/日本語字幕:吉川美奈子/字幕監修:柳原伸洋/R15+
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