見取り図 盛山晋太郎、『ペリリュー』の映画化に感銘 「芸人は平和じゃないと成り立たない」

 武田一義の人気漫画を原作とした映画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(以下、『ペリリュー』)が12月5日に公開される。

 太平洋戦争末期の昭和19年が舞台の本作。漫画家志望の青年・田丸(声:板垣李光人)は、その才能を買われて、亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」の仕事を与えられる。戦地で葛藤する田丸の支えになったのは、同期ながら頼れる上等兵・吉敷(声:中村倫也)の存在だった。2人は励まし合いながら特別な絆を育んでいく。

映画『ペリリュー ー楽園のゲルニカー』“原作ファン”の見取り図・盛山晋太郎からコメント到着!

 原作の持つ切実な筆致と、映画ならではの臨場感はどのように響くのか。漫画好きで「ジャケ買いで読み始めた」と明かす見取り図の盛山晋太郎に、作品との出会いから映画版を観て膨らんだ思いまで、じっくり語ってもらった。

「絵のタッチに惹かれた」“ジャケ買い”から始まった衝撃

ーーまずは、原作との出会いから教えてください。

盛山晋太郎(以下、盛山):僕、漫画が好きで電子でよく読むんですが、『ペリリュー』は完全にジャケ買いですね。このかわいらしいタッチに惹かれて買いました。もともと近代史、特に第二次世界大戦には興味があったし、ペリリュー島の戦いを題材にした漫画だったので、すぐに読もうと思いました。

ーー戦争について興味を持ったのには何かきっかけがあったんですか?

盛山:学生時代は歴史に興味が持てなかったんですが、18、19歳のときにテレビで世界情勢のニュースが流れて、自分なりに疑問が湧いたんです。そこで書店に行って調べてみようと思ったのが大きなきっかけですね。今は派生して地政学の本をよく読んでいます。土地だけは昔から変わらないし、国の成り立ちも知れる。すごく面白いですね。そんな流れから戦争漫画もよく読むんですけど、だいたいシリアスで大人っぽさを感じる作品が多いなか、『ペリリュー』は絵のタッチが柔らかい。戦争系の作品が苦手な方でも入りやすいだろうなと思いました。

――改めて、本作をご覧になってどんな感想を持ちましたか?

盛山:柔らかくてかわいらしいタッチだからこそ、戦争の凄惨さがより伝わるなと思いました。まるでゲームの1機、2機のように人が当たり前に死んでいくじゃないですか。“こんなにも命が軽々しく扱われるんだ”と、本当に現実離れしてるなと思いましたし、より先人たちへの思いが強くなりました。

――登場人物はキャラクター化されていますが、どこにでもいる若者のような印象を受けます。

盛山:出てくるキャラクターってまだ10代後半や20代が多いですよね。僕が彼らと同じ年代の頃なんて、パチスロしかしてなかったですからね……。でも、現実には招集をかけられて戦地へ向かった若者がいた。そういった面では浮世離れしているし、本当に近い過去で起きていたことなんだ、と身に染みて感じます。いまだにこの時代に当時の戦争を経験されている方がいらっしゃるって、不思議な感覚になりますね。

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