『ぼくたちん家』登場人物が“井の頭アパート”に大集合! 索と玄一らしい公正証書

 玄一とほたるを車で乗せて向かった先は、彼が高校生まで育った児童養護施設。今でもクリスマスケーキを届けるほど、索にとってこの家は大好きな場所だった。だからこそ、玄一に「“かすがい”となる家を買いましょう」と言われたとき、内心は嬉しかったと告白する。

 玄一と出会ったばかりの頃の索は、その日までがんばって生きるために本やゲーム、おせちなどの予約をしていた。そんな彼が「今までしたどの予約よりも、すごい楽しみなんですよ」と振り絞るように口にする。“予約した日まで”を生きるためではなく、“予約した日から”を楽しみにして生活する。それは間違いなく、玄一との出会いを経た変化だ。

 ほたるが「名前がついてないものっていっぱいあるけど、そういうのも名前があるものと同じくらい大事にしてもいいよね」と母・ともえ(麻生久美子)の留守番電話のメッセージに残していたが、まさにこの物語には「何か」と「何かじゃない」の間にある愛おしいものがたくさん登場する。

 玄一と索の行動の意図が「よくわからない」と呟く松。それでも、岡部は「わからないの、わかります。うちにもいろんな人が来るんですよ」と同調する。鯉登(大谷亮平)が「トーヨコキッズなんて呼ばれたりしてますけど、まぁそんな名前の子はどこにもいませんからね」と口にしていたように、百瀬と井の頭が「結婚してないけど、“ひとりじゃない”」と笑顔で話していたように、一見しただけではわからない“あわい”はそこかしこに点在している。だからこそ、理解できないことがあったとしても、その“あいまいな場所”が存在することを尊重するのが、何より大切なのかもしれない。

 松さんがドアに挟んだメモからヒントを得た玄一は「理解できないこともおもしろがって仲良くしていきましょう」と公正証書に書くことを提案する。牛乳とコーヒーを混ぜてカフェオレを作るように、互いに知らないことを混ぜ合わせる。2人がこれからずっと暮らしていくための原点となる言葉だ。

 ただ、玄一と索の別れ話は一旦収束したものの、アパートの庭で全員集合していた側で、玄一の部屋に入り込んだ仁はスーツケースに入った3000万円を持ち去ってしまう。逃亡する仁を見咎めた吉田、そんな2人の攻防を目撃した松がどのような行動に出るのか。そして、ご当地キーホルダー集めが次でラストピースとなったともえは果たしてどうなってしまうのか。まだまだ井の頭アパートの周辺は騒がしくなりそうだ。

ぼくたちん家

現代に様々な偏見の中で生きる“社会のすみっこ”にいる人々が、愛と自由と居場所を求めて、明るくたくましく生き抜く姿を描くホーム&ラブコメディ。

■放送情報
『ぼくたちん家』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~放送
出演:及川光博、手越祐也、白鳥玉季、田中直樹、渋谷凪咲、坂井真紀、光石研、麻生久美子
脚本:松本優紀、渋谷凪咲、田中直樹
演出:鯨岡弘識、北川瞳
インクルーシブプロデューサー:白川大介
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:河野英裕、西紀州、岡宅真由美
音楽:東川亜希子、神谷洵平
主題歌:「バームクーヘン」
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/bokutachinchi/
公式X(旧Twitter):https://x.com/bokutachinchi
公式Instagram:https://www.instagram.com/bokutachinchi/
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@bokutachinchi

関連記事