実写版『ONE PIECE』サンジ役のタズ・スカイラーも出演 『ガスト・アップ』12月12日公開

 ロンドンのスクーターギャングを描いたイギリス映画『Gassed Up(原題)』が、『ガスト・アップ』の邦題で12月12日よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 本作は、ロンドンを舞台に、生活のために窃盗を繰り返す若き“スクーターギャング”たちの葛藤と疾走を描く青春クライムアクション。イギリスではスクーターやオートバイなどの二輪車で、ひったくりや強盗を行う「スクーターギャング」と呼ばれる集団の犯罪が2017年に急増。現在でも、電動バイクによるスマホ窃盗やひったくりが深刻な社会問題となっている。移民や貧困、家庭環境といった背景のもと、若者たちが犯罪に駆り立てられる現実を鋭い視点で描き出す。

 監督を務めたのは、これまでドキュメンタリー作品を手がけてきたジョージ・アンポンサ。社会的テーマを真正面から描いてきたアンポンサ監督は、2011年のイギリス暴動のきっかけとなった警察によるマーク・ダガン射殺事件を扱った『The Hard Stop(原題)』や、『Black Power:A British Story of Resistance(原題)』で英国アカデミー賞ノミネートを果たした、本作が初の長編劇映画で、第67回BFIロンドン映画祭では観客賞を受賞した。

 Benzzの「Je M’appelle」をバックに爽快にバイクが走り、幕を開ける本作は、エレクトロニック・ダンスデュオJoy(Anonymous)のヘンリー・カウンセルが劇伴を担当し、Aitch、Digga DによるUKドリルやグライムなど、イギリスのストリート発の音楽が物語を彩っていく。

 主演を務めたのは、『ブルー・ストーリー』のステファン・オドゥボラ。Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』でサンジ役を務めるタズ・スカイラーがスクーターギャングの一人を演じるとともに、アーチー・マドックスと共同で脚本を執筆した。さらに、2023年ユーロヴィジョン・ソング・コンテストでUK代表に選出された歌手メイ・ミュラー、ラッパーのMs Banks、YouTuberのハリー・ピネロらが出演している。

 早くに父親を亡くした20歳の青年アッシュ。精神的に苦しむ母を助けるため、そして、まだ幼い妹を支えるために、必要なのはとにかく金。アッシュ(ステファン・オドゥボラ)はアルバニア系犯罪組織の強盗チームに所属し、リーダーのダブズ(タズ・スカイラー)、親友のローチ(クレイグ・ミドルバーグ)とともにバイクで街を駆け抜けながら、人々の貴重品を奪う日々を送っていた。ある日、叔父が営むバイク店が次の標的に決まり、アッシュの心は強く揺れ動く真っ当な方法で稼ぎたいという思いと、すぐに稼げる“汚い金”の甘い誘惑。報酬が膨らむにつれて“仕事”の危険度も増し、アッシュたちは組織の闇に深く絡め取られていく。友と家族か、それともスリルと欲望に満ちた危険な世界か。究極の選択を迫られた、アッシュが選ぶのは。

 あわせて日本版メインビジュアルと予告編も公開。日本版メインビジュアルには、ロンドンの現代的な高層ビル群を背景に、アッシュをはじめとした5人のスクーターギャングが並んでいる様子が捉えられている。

映画『ガスト・アップ』予告編

 予告編では、Benzzの楽曲「Je M‘appelle」が流れる中、疾走感あふれるバイクアクション、犯罪の緊張、若者たちの葛藤や欲望が交錯する世界が映し出されていく。そして「やり切ればなんでも手に入る」と甘い言葉がささやかれたあと、宝石店で強盗をする様子が映し出され、指示役のシャズから「どんな方法でもいい、仕事は完遂するのよ」と迫られるアッシュたち。生活のため犯罪に手を出した、彼らの行きつく先とは。

 また、アンポンサ監督からは動画コメントも到着した。

映画『ガスト・アップ』ジョージ・アンポンサ監督コメント

ジョージ・アンポンサ監督 コメント

日本で『ガスト・アップ』が公開されることに、とてもワクワクしています。
私にとって長い旅のようでした。ドキュメンタリー制作から始まり、本作が初めての劇映画です。大きな挑戦ではありましたが、物語における“真実味”や“リアリティ”といった学んできた全てを、新たな映画表現の領域へと昇華させる機会にもなりました。
キャストやスタッフがいなければ、やり遂げることはできませんでした。彼らのエネルギー、創造力、献身が、この作品に命を吹き込んでくれました。
スリルと犯罪を描く映画として始まった本作は、次第に、愛や忠誠心、そして生き抜くことについての物語へと変化していきました。それをスクリーンの中にしっかりと映し出せたことを、とても誇りに思っています。
日本の観客の皆さんにも、この物語を視聴いただけることを嬉しく思います。本作が皆さんの心にも届き、新たな対話が生まれるきっかけになれば嬉しいです。

■公開情報
『ガスト・アップ』
12月12日(金)シネマート新宿ほか全国順次公開
出演:ステファン・オドゥボラ、タズ・スカイラー、スティーヴ・トゥーサント、クレイグ・ミドルバーグ、イェレナ・ガヴリロヴィッチ、メイ・ミュラー
監督:ジョージ・アンポンサ
脚本:アーチー・マドックス、タズ・スカイラー
配給:ライツキューブ
2023年/イギリス/カラー/ユニビジウム/5.1ch/102分/英語/原題:Gassed Up/日本語字幕:大塚美左恵
©GASSED LIMITED 2023
公式サイト:https://www.konohoshi-movie.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/GassedUp_movie

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