『ぼくほし』『宙わたる教室』など“宇宙”を題材にした作品なぜ増加? 秩序がもたらす癒やし
定時制高校に通う生徒たちは、日常生活を送る上で様々な困難を抱えている。元不良の柳田岳人(小林虎之介)は文字の読み書きが困難なディスレクシアという学習障害を抱えており、その結果、学校の勉強についていけずにドロップアウトしてしまった。
柳田は理科教師の藤竹叶(窪田正孝)と出会ったことで科学に興味を落ち、学生として成長していくのだが、物語後半になると過去につるんでいた不良仲間から嫌がらせを受けて足を引っ張られる。一方、藤竹も優秀な助教授だったが、「論文の格が下がる」という理由で研究に参加していた高専生の名が論文に掲載されなかったことをきっかけに、上司にあたる教授と衝突し、大学を辞めてしまう。
『チ。』でも天文研究助手のヨレンタが女であることを理由に、研究会に参加させてもらえない姿が描かれた。『チ。』も『宙わたる教室』も、合理的で美しい星と宇宙の世界と対比される形で、偏見に凝り固まった非合理な人間社会の醜さが描かれる。
そんな人間社会に息苦しさを感じている人々にとって、唯一の希望は何かを学ぶことだ。
『ぼくほし』の第3話で、宇宙が好きなスクールロイヤーの健治は「法律も宇宙も学校とは違って秩序がある」と言う。
また、天文部を復活させたい高瀬佑介(のせりん)に対して健治は「僕は何かをどうにかしたいと思った時は法を読みます。そうすると世の中の仕組みがわかって、前に進む手段が見つかることがある。日本は社会のあらゆる人が法律に従う法治国家ですから」と言った後「学校内での法に当たるのが校則です。もしかしたらその中に高瀬さんの幸いが潜んでいるかもしれません」と助言を与える。
健治の言葉は、人が宇宙に惹かれることに対する一つの答えだと感じる。
宇宙や法律には、合理的で美しい秩序立った世界が存在する。その秩序を学び、理不尽な人間社会とは異なる法則が存在することを知ることによって、(人間社会で)傷ついた私たちの心は癒やされる。
だからこそ、宇宙について学ぶ喜びを描いた物語が求められているのだ。
何事にも臆病で不器用な主人公が、共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として派遣されることになり、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に、必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。
■放送情報
『僕達はまだその星の校則を知らない』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~放送
出演:磯村勇斗、堀田真由、平岩紙、市川実和子、日高由起刀、南琴奈、日向亘、中野有紗、月島琉衣、近藤華、越山敬達、菊地姫奈、のせりん、北里琉、栄莉弥、淵上泰史、許豊凡(INI)、坂井真紀、尾美としのり、木野花、光石研、稲垣吾郎
脚本:大森美香
音楽:Benjamin Bedoussac
主題歌:ヨルシカ「修羅」(Polydor Records)
監督:山口健人、高橋名月、稲留武
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
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