【ネタバレ】『しあわせな結婚』真犯人が明らかに 松たか子の“既成の価値観”を超える演技

 『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)が第6話より第2部に突入。そのラストにて、ついに真犯人が明らかになった。

 15年前に布勢(玉置玲央)を殺した犯人。それは、ネルラ(松たか子)の叔父・考(岡部たかし)。第5話では、寛(段田安則)が犯人というミスリードがあったが、今回は考が自ら出頭。第7話の予告では、「ネルラを助けなければと思って、布勢の頭を背後から殴りました」という考の供述と犯行現場の回想が流れていることもあり、真犯人ということで間違いなさそうだ。

 ただ、これらは次回への導線に過ぎず、第6話のメインにあるのは、幸太郎(阿部サダヲ)、ネルラ、黒川(杉野遥亮)の三角関係の行方。幸太郎が出演するワイドショー『ニュースホープ』のMC・梶原(馬場徹)が、小説家の千堂祥子(吉川美代子)と「【有名小説家と隠れ家不倫】JPNテレビ・朝の顔、梶原拓 高級マンション“30歳差”ドロ沼不倫」と週刊誌に撮られたことをきっかけにして、黒川のネルラへの恋心が浮かび上がっていく。

 梶原は千堂と不倫の関係にはなく、千堂がすでに元夫と離婚が成立した上で、交際をしているため、やましいことはしていない。間違っているのはネットの記事だと幸太郎が説得したことで、梶原は『ニュースホープ』の冒頭で釈明することになった。コメントを求められた幸太郎は、「一般常識とか既成の価値観がいつも正しいとは限らないと思うんです。梶原さんと奥さんの年齢差は、常識ではありえないかもしれませんけど、常識を飛び越えて掴んだ愛だからこそ、輝かしいと思います。弁護士として様々な事件に関わってきましたけど、これだけは確信しています。真実は既成の価値観を乗り越えたところにある場合もあるんです」と私見を述べ、その放送を黒川が視聴していた。

 エレベーターの中で運命的な出会いを果たした幸太郎とネルラも、常識を飛び越えて愛を掴んでいる。たとえ変な寝相や奇妙な歩き方でも、横断歩道で振り向く何気ない笑顔に心を奪われる。そんな「でも、いい」と思える、言語化できない感情、好きな理由が繰り返し描かれている。幸太郎とネルラの夫婦の絆を黒川も改めて実感し、「自分の気の迷いは吹っ切れました。奥さんに引き摺り回されるのはやめます」と告げている。それは幸太郎が既成の価値観の向こう側でネルラを守っていることを認識してのことだ。

 しかし、そう簡単に恋心を忘れられるのだろうか。恋とは時に理性を失い冷静な判断ができなくなるからこそ、不倫という泥沼に陥ることもある。ネルラの誕生日を覚え、一人でバースデーケーキを買い、貪っていたような黒川が。

 また、第6話では不動産会社社長・南雲久(山内圭哉)が登場。山内圭哉が演じた『民王』(テレビ朝日系)シリーズの新田を思い出させるクセ強なキャラクターで、『しあわせな結婚』としては浮きまくっていたが、物件の理想と現実をつきつけられ、がっくり肩を落とすネルラの姿も印象的だった。さらに言えば、幸太郎が持つ芝公園のマンションを内見した際に、カップやベッド、タオルといった“女性”の匂いがするものに嫉妬心を抱き、焼き餅を焼く姿は、ネルラとして、松たか子として初めて見せる芝居。その既成の価値観を超える演技を、『しあわせな結婚』で松たか子は見せてくれている。

木曜ドラマ『しあわせな結婚』

大石静が脚本を手がける、夫婦の愛を問う“完全オリジナルホームドラマ”であり、令和の“マリッジ・サスペンス”。主演を務める阿部サダヲと松たか子は、10年ぶりに夫婦役を演じる。

■放送情報
木曜ドラマ『しあわせな結婚』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:阿部サダヲ、松たか子、板垣李光人、段田安則、岡部たかし、玉置玲央、金田哲、馬場徹、辻凪子、堀内敬子、小松和重、杉野遥亮
脚本:大石静
監督:黒崎博、星野和成、楢木野礼
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、森田美桜(AOI Pro.)、大古場栄一(AOI Pro.)
音楽:世武裕子
主題歌:Oasis「Don’t Look Back In Anger」(Sony Music Labels Inc.)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:テレビ朝日
©テレビ朝日
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