ブラジリアン柔術が役にも活きている? さかたりさが語る、役者としての理想と現在地
「悔しいな、とずっと思っていた」。モデルとしてデビュー後、役者の道を歩み始めるも、オーディションになかなか受からない不遇の時代を経験したさかたりさ。そんな彼女が現在放送中のドラマ『誘拐の日』(テレビ朝日系)で、初の刑事役という大きなチャンスを掴んだ。「男負けしないように」と語る役柄には、特技のブラジリアン柔術で培った自信が活かされているという。永尾柚乃との意外な縁、そして「幸薄い役を極めたい」というユニークな今後の展望まで、じっくりと語ってもらった。
天才子役・永尾柚乃とさかたりさの不思議な縁
――『誘拐の日』が放送されて、反響は届いていますか?
さかたりさ(以下、さかた):第1話が終わった後に、最近連絡を取っていなかった友達からも連絡が来ました。たくさんの方が観てくださっているんだな、とうれしくなりました。
――初の刑事役ですが、出演が決まったときの気持ちは?
さかた:連ドラでは初めてこれほどメインの役に選んでいただいたので、本当にうれしかったです。もちろん今までドラマや映画で刑事役の方は観てきましたけど、実際に自分が演じるとなると「どうしたらいいんだろう」って。刑事についてあまり詳しくなかったので、まずは「どうやったら刑事になれるのか」というところからネットで調べました。
――役に合わせて、髪もバッサリとカットされたんですよね?
さかた:こんなに短くするのは初めてだったので、最初は少しだけ抵抗がありました。もともと切る予定はなくて、衣装合わせで「切りませんか?」という話になったんです。クランクインの2週間前くらいに決まったので、最初は「似合うかな?」「どうかな?」と不安でした。でも切ったら意外と周りからの評判がよくて、「切って良かったな」と(笑)。ドライヤーもすごく楽になりました。
――役を演じる上で、どんなことを意識していますか?
さかた:刑事課チームで唯一の女子なので、男負けしないようにちょっとサバサバした感じを意識しています。
――しゃべり方や立ち方も、普段とは変えている?
さかた:しゃべり方は少しだけ変えています。ただ、私はブラジリアン柔術をやっていて、もともと立ち方が男っぽいのでそれを活かすことにしました。今までの作品では女の子らしさを意識していたんですけど、今回は逆に意識しないようにしています。
――刑事課チームでの撮影が多いかと思いますが、ベテラン刑事を演じる江口洋介さんの印象はいかがですか?
さかた:ずっとテレビで観てきた“雲の上の存在”なので、最初は「しゃべるのも恐れ多い」という気持ちでした。でも、本当にフランクに話しかけてくださって、すごく優しいです。実は、父が江口さんの奥様のファンなんですよ(笑)。父は江口さんの奥様と同郷の熊本県出身で、高校生の頃から地元で有名な女の子だったらしいんです。そのときからのファンということで、すごく喜んでいました(笑)。
――まだ江口さんにはお伝えしていない?
さかた:はい、まだお伝えできていないです(笑)。
――若手刑事役を演じる佐藤寛太さんの印象はいかがですか?
さかた:たとえば農業だったり、いろんなことに興味がある方だなと思います。毎回、撮影には直接関係のない本をたくさん現場に持ってきて、読んでいらっしゃいますね。それから佐藤さんも格闘技をやっているので、その話で盛り上がったりもしました。刑事課チームには格闘技が好きな方が多いので、初日、2日目あたりはずっと待合室で格闘技の話をしていました(笑)。
――そんな刑事課チームということで、今回はアクションシーンもあるのでしょうか?
さかた:私もあると思っていたんですけど、ないんですよ(笑)。でも、刑事なのでかなり走り回るんですよね。「今までこんなに走ったことがない!」というくらい走るので、大変ですけど楽しいです。
――あらためて、『誘拐の日』の魅力について聞かせてください。
さかた:まず最初に韓国版を観させていただいたら、本当に面白くて。全12話を一日で観終わるくらいに引き込まれました。「これがどんなふうに日本版として出来上がっていくんだろう」と楽しみにしていたんですが、実際に台本を読むと、文化の違いによって韓国版から変わっているところもあったりして。ギャグの入れ方とかも含めて、すごく面白いなと思いました。
――誘拐された天才少女を演じる永尾柚乃さんのお芝居もすごいですよね。
さかた:本当ですよね。顔合わせのときに、永尾さんが「(制作陣から)『今までと違う姿を見せたいから、演じるな』と言われた」と話していて。「演じるな」ってどういうことなんだと思っていたんですけど、たしかに第1話を観て今までの永尾さんとは全然違うなと思いました。
――刺激を受けるようなことも?
さかた:実は3年くらい前のCMで、永尾さんが私の幼少期を演じてくれているんです。『ブラッシュアップライフ』(2023年/日本テレビ系)よりも前だったので、「あの永尾さんが、こんなに成長されて……」と感慨深いものがありますね(笑)。
――そんなご縁があったんですね。ここから物語も、回を追うごとに面白くなっていきそうです。
さかた:展開がとにかく早いので、ずっと集中して観ていないと置いてきぼりになっちゃうこともあると思います。でも、ヒューマンミステリーの中に、ときどきコメディ要素が入ってくるので、観ていて飽きないドラマになっていると思いますね。監督は「刑事課チームを『がんばれ!ベアーズ』みたいな凸凹チームにしたい」とおっしゃっていて。がんばっているけど、うまくいかない。そんなメンバーたちが、だんだんとチーム一丸となって真相に迫っていく姿を観てほしいです。