そして、物語の起点でもあった悠太郎。彼はマニラで取材の仕事を任され、ニナ（高森琴捺）との別れを経験したあとも旅を続ける。高雄では、ひなと再会し、レオの妹の“迷子事件”に巻き込まれる。バンコクでは、和真のムエタイ試合に密着。まさかの“開始2秒KO”という悲劇的なオチまで含めて、動画クリエイターらしい目線で異文化の中に飛び込み続けた。言葉は通じなくても、拳を交えて理解し合う。そんな瞬間があるという、旅ならではのリアリティもさりげなく描かれている。

　こうして振り返ると、どのグループにも“偶然”や“すれ違い”が付きまとっている。そして、そんな出来事を通してこそ得られる出会い、発見、成長が描かれている。完璧に予定通りに進んだ旅は、もしかすると印象に残らないのかもしれない。少しのトラブル、少しの後悔、少しの未練が、あとからじわじわと“物語”に変わっていく。『Fly and Go！』は、そんな旅の本質を、Z世代的なテンポと空気感で軽やかに描き切った。

　ラストでは「4人は果たして、どんな“最高の一枚”を撮れたのか？」という当初のゴールが描かれるわけだが、4人はどんな思い出を残してきたのか。それぞれが過ごした国、それぞれが経験した喜怒哀楽──そのすべてが、きっと“あなただけの旅”とも重なるはずだ。

　ちょっとしたトラブルも、予定外のすれ違いも、あとから振り返れば全部が旅の“彩り”になる。そんな感覚を思い出させてくれる『Fly and Go！』を観終えたら、今度は自分の足でアジアの空へと出てみてはどうだろうか。旅に出たくなった人は、エアアジアの公式サイトをチェックして、次の目的地を探してみてほしい。最高の一枚は、あなた自身のカメラロールの中にあるはずだから。最高の一枚は、スクリーンの向こうじゃなく、あなた自身の旅の中で見つかるはずだ。

■配信情報
『Fly and Go！～世界一ドタバタな出張～』
ショートドラマアプリ「BUMP」にて配信中
出演：濵咲友菜、木村葉月、蒔木瑠人、 西塚郁哉
監督：金子光三朗
脚本：宮脇卓也、金子光三朗
制作プロダクション：株式会社 One Acre Short Drama
提供：Thai AirAsia X Co., Ltd.
配信ページ：https://emolebump.go.link/hb50I