『鬼滅の刃』産屋敷一族の新当主は何者? お館様の意志を受け継いだ“子どもたち”

 本編ではあまり描かれていないが、産屋敷家にはほかにもさまざまなドラマがある。たとえば産屋敷家の96代目当主だった耀哉の父親は、鬼殺隊の隊士たちが犠牲になっていくことに耐えられず、19歳の時に自ら命を絶ったという。耀哉よりも繊細で、常人に近い感覚を持っていたのかもしれない。

 そして耀哉の妻・あまねは、神職の家系で旧姓は「神籬」(ひもろぎ)。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』によると、夫と子どもたちのため、穢れを落とすための水浴びを毎日欠かさず行っていたとされており、家族たちへの愛情の深さが窺い知れる。

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 2人のあいだに生まれた子どもは五つ子で、長男の輝利哉が耀哉の後を継いで8歳にして新当主となった。ちなみに輝利哉の初登場シーンは「無限城編」ではなく、物語の序盤に藤襲山で行われた炭治郎たちの最終選別では進行役を務めていた。ただ、「産屋敷家の男児は呪いを避けるため13歳までは女の子として育てられる」というしきたりから、女性の恰好をしていたので、同一人物だと気づかなかった人も多いだろう。

 また無惨による産屋敷邸襲撃の折に、両親と共に犠牲になることを選んだのは長女、次女のひなきとにちか。三女と四女はくいなとかなたといい、「無限城編」では輝利哉の両脇でサポートを行う様子が描かれている。

 耀哉は今際の際、無惨に対して「人の想い」が永遠であり不滅であることを宣言していたが、彼の子どもたちはまさにその思想を体現している存在だ。そしてその意味で、耀哉と同じく無惨の“天敵”になり得るのではないだろうか。

 『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の第二章以降でも産屋敷一族の活躍シーンが描かれるはずなので、映像化を楽しみに待ちたいところだ。

■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
全国公開中
キャスト:花江夏樹(竈門炭治郎役)、鬼頭明里(竈門禰󠄀豆子役)、下野紘(我妻善逸役)、松岡禎丞(嘴平伊之助役)、上田麗奈(栗花落カナヲ役)、岡本信彦(不死川玄弥役)、櫻井孝宏(冨岡義勇役)、小西克幸(宇髄天元役)、河西健吾(時透無一郎役)、早見沙織(胡蝶しのぶ役)、花澤香菜(甘露寺蜜璃役)、鈴村健一(伊黒小芭内役)、関智一(不死川実弥役)、杉田智和(悲鳴嶼行冥役)、石田彰(猗窩座役)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:矢中勝、樺澤侑里
美術監修:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」 (SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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公式サイト:https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
公式X(旧Twitter):@kimetsu_off

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