『忍たま乱太郎』土井半助

　その一方で、さわやかな好青年の演技も関の得意とするところだ。とくに代表的なのが、30年以上にわたって演じ続けている『忍たま乱太郎』の“土井先生”こと土井半助。色々と苦労しながらも乱太郎たちを温かく見守る教師で、作中随一の人気キャラクターでもあるが、やわらかく包容力のある関の声もその人気に一役買っているのではないだろうか。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』ゲゲ郎

　また2023年公開の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』で演じたゲゲ郎も、熱狂的な人気を誇るキャラクター。白い髪をした優男風の人物で、厭世的で捉えどころのない性格をしているが、実は過酷な運命を背負っているという設定だ。感情豊かなところもあり、関の演技力が遺憾なく発揮されている。

『新機動戦記ガンダムW』デュオ・マックスウェル

　そのほか30代の頃に出演した『新機動戦記ガンダムW』では、重い過去を抱えつつも自由奔放で明るく振る舞う青年、デュオ・マックスウェルを演じていた。

　さらに意外かもしれないが、“変態”的なキャラクターも得意分野だ。『ひぐらしのなく頃に』シリーズで演じた入江京介は、やさしい医師でありながら重度のメイドフェチという性癖の持ち主。また『キルラキル』の“生きたセーラー服”鮮血は、主人公の纏流子に着られることに悦びを感じるキャラクターで、『ゴールデンカムイ』では猟奇的な連続殺人犯にして生粋のマゾヒスト・辺見和雄を怪演していた。

　品のある声質だからこそドギツイ言動が際立つという意味で、いずれも関にぴったりのハマり役となっている。

　無惨役によってあらためて脚光を浴びたが、「無限城編」は第一章なので今後さらなる活躍が描かれるはず。さらに9月5日より2週間限定で、Dolby Cinema版『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇』が劇場公開されることも決定している。今後もさまざまな場所でレジェンド声優の雄姿を観られそうだ。

■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
全国公開中
キャスト：花江夏樹（竈門炭治郎役）、鬼頭明里（竈門禰󠄀豆子役）、下野紘（我妻善逸役）、松岡禎丞（嘴平伊之助役）、上田麗奈（栗花落カナヲ役）、岡本信彦（不死川玄弥役）、櫻井孝宏（冨岡義勇役）、小西克幸（宇髄天元役）、河西健吾（時透無一郎役）、早見沙織（胡蝶しのぶ役）、花澤香菜（甘露寺蜜璃役）、鈴村健一（伊黒小芭内役）、関智一（不死川実弥役）、杉田智和（悲鳴嶼行冥役）、石田彰（猗窩座役）
原作：吾峠呼世晴（集英社ジャンプ コミックス刊）
監督：外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督：松島晃
脚本制作：ufotable
サブキャラクターデザイン：佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン：小山将治
美術監督：矢中勝、樺澤侑里
美術監修：衛藤功二
撮影監督：寺尾優一
3D監督：西脇一樹
色彩設計：大前祐子
編集：神野学
音楽：梶浦由記、椎名豪
主題歌：Aimer「太陽が昇らない世界」（SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.）・LiSA「残酷な夜に輝け」 （SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.）
総監督：近藤光
アニメーション制作：ufotable
配給：東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable
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公式サイト：https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
公式X（旧Twitter）：＠kimetsu_off