『鬼滅の刃』無惨役に『忍たま乱太郎』土井先生も “レジェンド声優”関俊彦が人気な理由
錚々たる声優陣が出演し、見事な演技力を発揮しているアニメ『鬼滅の刃』。そのなかでもひときわ存在が際立っているのが、鬼舞辻無惨役を演じる関俊彦だ。本稿では関のキャリアを振り返り、その声や演技の魅力について迫っていきたい。
関は1983年にデビューを飾って以来、40年以上にわたって第一線で活躍してきたレジェンド声優。新たな代表作となった『鬼滅の刃』では、残虐性と気品を併せ持った不思議な声色によって、無惨のキャラクター性を表現している。
『鬼滅の刃』鬼舞辻無惨
現在公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』では、わずかな出番ながら強烈な存在感をアピール。とくに冒頭で出てくる「これで私を追い詰めたつもりか。貴様らがこれから行くのは地獄だ!」「目障りな鬼狩りども。今宵皆殺しにしてやろう!」という宣戦布告は、ラスボスとしての威厳を感じさせつつ、これから始まる死闘を予感させる名ゼリフとなっている。
『最遊記』玄奘三蔵
これまでにも関は威厳のある“強キャラ”を色々と演じてきたが、たんなるパワー系の強さではなく、知的で上品な印象を漂わせていることが多かった印象だ。代表的な役としては、2000年頃から続く人気アニメ『最遊記』シリーズの玄奘三蔵が思い浮かぶ。
三蔵は位の高い僧でありながら飲酒や喫煙、博打をたしなみ、当たり前のように暴言、暴力を繰り出すほど気性が荒い。しかしその一方、いつでも冷静で鋭い洞察力を誇り、一味のリーダーとして孫悟空たちを従えていく。
『機動戦士ガンダムSEED』ラウ・ル・クルーゼ
また『機動戦士ガンダムSEED』に登場する“仮面の男”ラウ・ル・クルーゼも、この系譜にあるキャラクターと言えるかもしれない。ミステリアスな風貌で冷静な思考の持ち主だが、胸の内には強い憎悪と絶望を秘めているのが特徴。最終話ではキラ・ヤマトと死闘を繰り広げつつ、壮絶なバックボーンに裏付けられた自身の思想を語り、悪役としてのカリスマ性を示していた。
こうした強キャラたちを演じる際の関は落ち着いたトーンと激しい演技を見事に使い分けており、高い演技力がうかがえる。