『しあわせな結婚』松たか子の“奇妙”なヒロインから目が離せない 衝撃の“秘密”も明らかに
第1話、ひいては本作における最大のフックとなっているのが、ネルラが抱えている秘密だ。ネルラは15年前、元恋人の布勢夕人(玉置玲央)を殺害した容疑にかけられていた。警視庁捜査一課の黒川竜司(杉野遥亮)がこの事件を再捜査し始めたことをきっかけにして、幸太郎も初めてネルラの過去を知ることになる。秘密を知ってもなお、夫は妻を愛し続けることができるのかというのが、本作のひとつの視点であり、第2話の予告では早くも「離婚危機」のテロップが躍り出るものの、弁護士という立場から幸太郎はネルラを守っていくことになるのだろう。「困ってることあるんじゃないの」(幸太郎)、「ある、でも今は言えない」(ネルラ)という短い会話がそのことを予感させている。
第1話を通して気になるのが、ネルラの母の存在である。すでに亡くなっている彼女は、寛(段田安則)、考(岡部たかし)との会話の中にも頻出する、登場せずに異様な存在感を放つ人物だ。ネルラは宮沢賢治『銀河鉄道の夜』のカンパネルラから、弟のレオ(板垣李光人)はアメリカの絵本作家レオ・レオニから、彼女が名付けたようだ。ネルラが母の仏壇に手を合わせるシーンが、意味ありげにインサートされており、彼女がこれからキーマンになってくるのではないだろうか。
サスペンス要素の一方で、コミカルなシーンが多いのも本作のポイント。先述した第1話試写会には筆者も参加しており、そこで特に大きな笑いが起こっていたのは、ネルラがクロワッサンにかぶりつくシーンと、ネルラが思い出したかのようなタイミングで「シャバシャバのビーフシチューってどういうの?」と幸太郎に聞く場面だった。やはりネルラに集中しているのが、彼女が本作を象徴する存在とも言えるが、前者のような画のインパクトと後者のような絶妙な会話のテンポから生まれる2つの笑いというのも特徴的だ。
『しあわせな結婚』で大石静が描く“しあわせ”とは? 毒をはらんだ創作哲学から紐解く
7月17日より始まるドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)。「妻が抱える大きな秘密を知ったとき、彼女を愛し続けられるのか?」と…最後に。阿部は『「しあわせな結婚」放送直前!SPナビ』(テレビ朝日系)の中で、『しあわせな結婚』の「しあわせ」がひらがなであることに触れ、「ひらがな“しあわせ”っていうのが、後々みなさんに考えていただくと面白いな」とコメントしている。そのことも、本作を紐解く重要なヒントになっていくはずだ。
大石静が脚本を手がける、夫婦の愛を問う“完全オリジナルホームドラマ”であり、令和の“マリッジ・サスペンス”。主演を務める阿部サダヲと松たか子は、10年ぶりに夫婦役を演じる。
■放送情報
木曜ドラマ『しあわせな結婚』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:阿部サダヲ、松たか子、板垣李光人、段田安則、岡部たかし、玉置玲央、金田哲、馬場徹、辻凪子、堀内敬子、小松和重、杉野遥亮
脚本:大石静
監督:黒崎博、星野和成、楢木野礼
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、森田美桜(AOI Pro.)、大古場栄一(AOI Pro.)
音楽:世武裕子
主題歌:Oasis「Don’t Look Back In Anger」(Sony Music Labels Inc.)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:テレビ朝日
©テレビ朝日
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