“蔦重”横浜流星の日本橋進出までを疑似体験　『べらぼうフェスティバル』の魅力をお届け

　NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の特別展示イベント『べらぼうフェスティバル in 日本橋』が7月6日まで、東京・日本橋「福徳の森」にて開催されている。

　蔦重（横浜流星）がついに吉原から日本橋へと進出する物語の転換点に合わせ、江戸情緒あふれる会場でドラマの世界観を体験できる展示だ。実際の撮影で使用された小道具や初公開のキャストビジュアルバナーなど、ファン必見の展示内容をレポートする。

浮世絵イラストインスタレーションで物語を追体験

　会場に入ってまず目を引くのが「浮世絵イラストインスタレーション」だ。これらはドラマ本編の各話で登場する浮世絵のワンカットをのれんで表現したもので、来場者がくぐり抜けながら進むことで、蔦重の物語を順を追って体験できる構成になっている。

　また、これらののれんを支える柱は実際の撮影で使用された江戸の町屋セットの柱を再利用しているそうだ。「耕書堂が日本橋についに上陸した」というコンセプトを、セットの一部を使うことでリアルに表現している。最後には耕書堂ののれんと立看板が設置されていて、夜間は暖色系のライトアップがされるという。ぜひ両方の時間帯で楽しみたい。

撮影で実際に使われた小道具や美術の展示も

　インスタレーションの側には、キャストビジュアルバナーが表裏合わせて12枚展示されている。第2部から登場したてい（橋本愛）や喜多川歌麿（染谷将太）など新キャラクターのバナーはこのイベントが初お披露目。ファンにとっては写真撮影の絶好のスポットとなりそうだ。

　そして展示の中でも特に注目したいのが、実際の撮影で使用された小道具たち。恋川春町（岡山天音）が書いた「屁」の文字の中に囲まれた「屍」の紙や、ドラマの中で春町自身がポキリと折った後、和紙で修復された筆も。黄表紙の『廓𦽳費字盡（さとのばかむらむだじづくし）』や『長生見度記（ながいきみたいき）』なども並べられている。

　さらに山東京伝（北尾政演／古川雄大）の錦絵『青楼名君自筆集』や、勝川春章（前野朋哉）と北尾重政（橋本淳）の錦絵本『青楼美人合姿鏡』も展示。これらの書物は撮影用に精巧に再現されたもので、江戸時代の出版文化を体感することができる。ちなみに、錦絵は画面上で見るのと実際に目で見るのとでは大違いなので、ぜひこの機会に足を運んでみてほしい。