小芝風花、『べらぼう』瀬川役を経てさらなる高みへ 大河史に刻まれる別れの朗読
史実では、瀬川は伝説の花魁で不幸な人生を送ったとされている人物だが、本作では絶望だけではなく、彼女が確かに希望を抱いて生きていたことが描かれた。『べらぼう』が描き続けてきた“夢と現実”を象徴するキャラクターであるものの、女郎の闇に堕ちずに常に芯をもって生きる様、そして蔦重との幸せなひとときを噛み締める姿は、まるで「光」を体現しているようでもあった。“親なし、金なし、画才なし”だった蔦重が“何か”を手にいれるまでが『べらぼう』の第1部だったとすると、その中心で光を放ち続けていたのが瀬川であり、小芝だったのだ。
小芝風花、なぜ今求められる? 『大奥』『城塚翡翠』で証明した“バディもの”との相性
小芝風花が7月期の日本テレビ系土ドラ9枠『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』で主演を務めることが決定した。近年は『フェル…同じく時代劇ものでは主演を務めた『大奥』(フジテレビ系)が印象深い。大奥内の壮絶ないじめに屈せず、将軍の妻として真っ直ぐな心を示し続けた倫子を演じ、作品を牽引していた。そんな絶品の演技を見せた『大奥』に続いて『べらぼう』も小芝の代表作に加わったことは間違いない。NHK BS時代劇『あきない世傳 金と銀2』の放送も開始されており、『べらぼう』とはまた一味違う小芝の演技を堪能できる。近年では数々の作品で主演級のポジションを務めているが、今回の大河出演で小芝のイメージに“風格”が漂うことにより、演者としてさらに高みへと登ったと言える。
参照
※1. https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/blog/bl/pG3k57WNaG/bp/pVdw5J1xO9/
※2. https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/blog/bl/pG3k57WNaG/bp/pAnLzr5G06/
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
総合:毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
BS:毎週日曜18:00〜放送
BSP4K:毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK