『逃げ恥』『リモラブ』などドラマが描いてきた“コロナ禍” 『おむすび』はどう向き合う?

 振り返ってみると、新型コロナウイルスによる制限や生活の変化を通して何を伝えるかは作品によってまったく異なる。『#リモラブ』では独特の孤独感、コミュニケーションの難しさ、『逃げ恥』では大切な人と顔を合わせられない苦しさ、『新宿野戦病院』では人間の愚かさが描かれていた。制作陣がコロナ禍を通して何を描きたいのかは、作品のテーマそのものにつながる。作品を通して何を伝えたいのか、その意図が大いに表れる設定と言えるだろう。

 実は、コロナ禍の病院の様子を描いたドラマはとても少ない。また、朝ドラで言えば、『おかえりモネ』や『カムカムエヴリバディ』でコロナ禍を思わせる描写があったが、真正面からコロナ禍による生活の変化を描く作品は、『おむすび』がはじめてだ。糸島の実家、理容室、アパレルイベントの準備、結が務める病院など、これまでの設定が一気に活かされる展開になるのではないだろうか。

 新型コロナウイルスが、5類感染症に引き下げられてから早2年近く。6月には、日本で最初に新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」に立ち向かう医療チームを描く映画『フロントライン』が公開予定だ。コロナ禍以降を生きる私たちは、エンタメ作品を通して、あの世界を客観的に見ることで何を感じるのか。

■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、麻生久美子、北村有起哉
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK

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