超人血清を持つ者同士の戦いに？　アベンジャーズの代わりはボブだった？

　となると本作には、バッキー、レッド・ガーディアン、USエージェント、そしてボブは超人血清を持った者同士の戦いです。ここで考えられるのは、予告の冒頭の発言。ヴァルはもともと「アベンジャーズの代わりにボブのような超人血清を持つ者たちの部隊」を作ろうとしていたのではないかと。というのも、ボブのヒーロー名であるセントリーには見張り番みたいな意味があり、ヴァルがアベンジャーズに代わる“見張り番”としてボブを使おうとしていた。つまりこのシーンはそれを主張していたのかもしれません。

　もう一つ、この説を裏付けるのは1分36秒目に映るアベンジャーズ・タワー。これは前回の予告でヴァルが買い取ったことがわかっています。このアベンジャーズ・タワーの向かって右に黒い尖塔みたいなのがあります。コミックではセントリーはウォッチタワーという塔を拠点にしています。したがって、ヴァルがアベンジャーズ・タワーとセントリー用のウォッチタワー機能を融合させていた可能性もあります。しかし、そのボブがヴォイドとなってしまったため、その尻ぬぐいにエレーナらを派遣したとともとれます。もしそうだとすれば『アベンジャーズ／エイジ・オブ・ウルトロン』でトニーがアベンジャーズに代わるロボット兵団を作ろうとして、結果それがモンスター化しウルトロンになったのと似ていますね。

バッキーの立ち位置、そしてタスクマスターの不在

　冒頭の公聴会（ヴァルが喋るシーン）できちんとしたスーツを着たバッキーがいます。そして今回の予告編の20秒目で掘りごたつみたいなところに縛られたエレーナ、レッド・ガーディアン、USエージェント、ゴーストがいます。第1弾の予告編で彼らが乗った車をバッキーが追っかけていました。その流れから考えるに、車に乗った4人をバッキ―が捕まえた（？）のでしょう。で、この4人に「俺と協力して危機を阻止しろ」みたいなことを言います。これが、ヴァルの命を受けバッキーがこの4人を仲間に入れたのか、それとも彼が独自にスカウトしたのかで話が大きく変わりますよね。

　ただこのシーンにタスクマスターがいないのです。ということはタスクマスターは別の流れで合流する？　一方これはファンの間でちょっと話題になっていますが、彼女が出ている場面が少ないのです。なので割と前半で死んでしまう可能性もあるのですが、それとも彼女には驚くべき秘密があって露出を控えている？　僕はMCUが予告で簡単にネタバレするようなことをするとは思えないので、後者だと信じているのですが。

サンダーボルツがアベンジャーズになる？

　本作が様々な憶測を呼んでいるのがタイトルが『サンダーボルツ*』ということです。要は「ツ」の後の「*」（アスタリスク）。これは脚注とか註をつけるときに使われるので、サンダーボルツというチーム名になんらかの注釈がつきますよ、ということでしょう。その一つの答えがポスターで明らかになりました。

　このポスターの中に「*THE AVENGERS ARE NOT AVAILABLE」と入っています。「注釈：アベンジャーズが提供できない（だからサンダーボルツが来るんです）」ということでしょう。しかしこれもポスターのギミックであって、映画本編はもうちょっと突っ込んだ話になるかも。

　つまり「サンダーボルツ」というチーム名は仮称です、みたいな。その証拠に、劇中でバッキーとUSエージェントが「サンダーボルツという名前は嫌だ」みたいなリアクションを見せます。NYをこの面子が救い、街の人々から「彼らこそ新しいアベンジャーズだ！」みたいに称賛され、新アベンジャーズとして知られるようになる、という展開かもしれませんね。「注釈：後にアベンジャーズとも呼ばれる」みたいな。

シリアルの箱に描かれる

　レッド・ガーディアンが「ヒーローとして認められればシリアルの箱に印刷されておまけのおもちゃがつく」みたいなセリフがあります。シリアルとはケロッグのコーンフレークとかああいう朝ごはんですよね。アメリカでは人気者になるとシリアルのパッケージに登場するかランチボックスに描かれるみたい（『ドクター・ストレンジ／マルチバース・オブ・マッドネス』でそういう会話ありましたね）。

　この予告の後に発表されたポスタービジュアルがシリアルのパッケージ風のビジュアルでした。こういうところはシャレが効いています。

　『キャプテン・アメリカ：ブレイブ・ニュー・ワールド』の公開直前に『ファンタスティック4：ファースト・ステップ』『サンダーボルツ*』 の予告編が続けてリリースされ、MCUファンとしてはハッピーな2月になりました！

■公開情報
『サンダーボルツ*』
5月2日（金）公開
出演：フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン＝カーメン、ジュリア・ルイス＝ドレイファス
監督：ジェイク・シュライアー
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