横浜流星はカッコいいより“かわいい”? 『べらぼう』脚本・森下佳子「好きになりすぎる」

 NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の完成試写会と出演者会見が12月16日にNHK放送センターで開かれ、主演の横浜流星、脚本の森下佳子、演出の大原拓、制作統括の藤並英樹が登壇した。

 本作は、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く、エンターテインメントドラマ。今回の会見は、第1回「ありがた山の寒がらす」のマスコミ向け試写会が行われた後に開かれた。

 横浜も完成した初回を2日前に観たばかりだという。その上で、「撮影中から感じていましたが、新たな大河ドラマになっています」と自信のコメント。NHK作品に初出演にして大河の主演を務める横浜は、「自分が触れてこなかった世界観で、キャラクターですし、挑戦だらけだからこそ壁が高いので、そこをしっかりと乗り越えられたらと思っています」「蔦屋重三郎というあまり知られてない人物だからこそ先入観なく見ていただけると思いますし、近くに感じられる蔦重を愛していただけると嬉しいです」と作品や演じるキャラクターにかける思いを語った。

横浜流星

 江戸時代中期が描かれることも、吉原が舞台になることも大河ドラマでは初めてのこと。大原はそういったことも挑戦の連続での撮影だと話しながら、その日々の中で「魅力的に、エネルギッシュに蔦重を演じてもらってます」と横浜の芝居を称賛する。撮影を重ねていく毎に、大原の横浜へのイメージは「カッコいい」から「かわいい」へと変化していき、その横浜の笑顔を通じて、メディア王と呼ばれる蔦重の魅力は誰かを引っ張っていくというよりも、気がつけば彼の周りにみんなが集まってしまうようなキャラクター性だと再認識したようだ。

 脚本の森下は、完成した初回の映像を観て、自分が書いた台本が“種”で、そこから“森”に出来上がっていると感じ、「もっと頑張ろう」と鼓舞されたという。森下が大河の脚本を務めるのは、2017年放送の『おんな城主 直虎』以来、2度目。蔦屋重三郎に関しての文献が膨大に残っているため、現在は資料に溺れながらの執筆だという。森下は、蔦重の人物像について、「パワフルな、頭の良い、 成り上がっていきつつ、でも周りにめっちゃ愛されたというのが憧れなんですよね。そんな人間になれたらいいだろうなと思っていて、そこに横浜さんが乗ったのがヤバくて。 ちょっと好きになりすぎるんじゃないかっていう、今ちょっと危険な状態にいます」と興奮気味に語っていた。

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