『光る君へ』柄本佑の失意の表情が忘れられない 道長のまひろへの思いを振り返る

 第35回でまひろが「不義の子」を産んだと知った時、道長は物悲しげな顔でその場を立ち去っていたが、第45回で見せた道長の反応を思うと、あの時はまだ自分との子どもだとは気づいていなかったのだとあらためて分かる。「お前とは……もう会えぬのか?」と真剣なまなざしで訴えかける道長だったが、まひろからは「会えたとしても……これで終わりでございます」ときっぱり言い切られる。まひろの局に1人取り残された道長は、その場所では誰かに感情を隠す必要もないからか、耐える様子もなく、ただ失意に暮れていた。

 上記で紹介した場面以外にも道長の印象的な表情というのは多々あるが、まひろが関わるとどうしても感情が滲み出てしまう、というのがやはり魅力的な部分といえる。柄本の演技には、描かれていない場面においても、道長はふいにまひろのことを考えてしまうのだろうと思わせるものがある。別れを告げられ、出家してもなお、道長はまひろを思い続けている、そんな気がする。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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