『放課後カルテ』ひしひしと感じる“牧野”松下洸平の成長 少しずつ社会を学ぶ子どもたち
学校とは、人間が最初に触れる社会だ。世の中にはいろんな価値観を持った人たちがいることを知り、その違いを認め合って共に生きていくことを学ぶ。だけど、悲しいかな、私たちはそこで得たものを大人になる過程でどこかに置いてきてしまう。
『放課後カルテ』(日本テレビ系)は、そんな忘れ物を一つずつ拾い上げていくような作品。特に6年2組のれいか(畠中一花)がメインの回となった第7話は学びが豊富で、自分を省みた人も多かったのではないだろうか。
れいかといえば、クラスの中でも特に目立つ存在。複数の女の子たちといつもおしゃれやトレンドの話で盛り上がっている明るく活発な女の子だ。だけど、学校で違反されているものを持ってきたり、友達や先生に対する言い方がきつかったり、見方を変えれば、少し問題のある生徒とも言える。
そんな彼女がある日突然教室に行きたがらなくなり、保健室登校になる。それは、純美(池尻稀春)を傷つけてしまった際にアローラ(コールレクシー)から「感じが悪い時がある」とみんなの前で指摘され、クラスで孤立してしまったことが原因だった。だけど、れいかに悪気があったわけではない。彼女はいわゆる「空気が読めない」とされるタイプで、思ったことをすぐ口にしてしまうだけだった。
「空気が読めない」という意味のネットスラング「KY」がユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされてから早17年。「KY」というワード自体はすでに使われなくなっているが、空気を読むこと自体はより人々の間で強く意識されるようになった気がする。何気ないやりとりの中で誰かから「空気読めよ」と指摘されたり、自分で「今のは空気読めてなかったかも」と反省したりすることも多い。だけど、改めて考えてみたら「空気を読む」ってどういうことなんだろう。