『マイダイアリー』人はいつから“親友”になるのか 幅広く演じこなす吉川愛の演技力が光る

 人は、いつから“親友”になるのだろう。遊ぶ回数が増えたら? お互いに「親友だよね」と言い合ったら? そんなことじゃなくて、相手に自分がいちばん話したくないことを話せたとき、自分がいちばん見せたくなかった弱さをさらけ出すことができたとき、人は“親友”になるのかもしれない。『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第3話、幼少期のトラウマを優希(清原果耶)らの前で明かしていたまひる(吉川愛)を見て、そう思わされた。

「和田くんと徳永くんの前で、あくびできないんだよね」

 まひるにとって、その人の前であくびができるのは、心を許しているかららしい。たしかに、大事な会議中や目上の人と話をするときって、あくびをすることができないし、もし出そうになったとしても、必死に堪えたりする。学生時代も、授業中にあくびをして、先生に「大きな口を開けてあくびをするな!」なんて怒られた経験がある人もいるのではないだろうか。

 優希と愛莉(見上愛)と初めて会ったオリエンテーションで、まひるはついあくびをしてしまったらしい。初対面の相手の前で、あくびなんてしてしまった……と焦って隣を見ると、そこにはまひるのあくびが伝染した優希と愛莉がいた。その2人の姿を見たとき、まひるは「2人の前では、あくびしてもいいかもって。無意識にあくびするくらい、心許してもいいかも」と思えたようだ。

 どれだけ時間を共にしても、「この人の前であくびをすることはできないな」と思う相手もいる。その一方で、会った瞬間から「この人の前ではできる」と思える出会いもあるのが、面白い。緑(中村ゆり)が言うように、「この人の前だと、肩の力抜けるみたいな」ことなのだろうか。リラックスをしているからこそ、あくびを出すことができるのだと思う。

 かつて、仲が良かった友人の親に誘拐をされそうになった経験があるまひるは、他人に心を許すのが苦手になってしまっていた。しかも、推しのRIM様の卒業公演をやる会場が、その誘拐未遂事件の現場付近ということもあり、そのトラウマのせいで、オンラインでしか推しの卒業を祝うことができない。ずっと応援してきた推しが卒業するだけでも悲しいのに、最後の勇姿を間近で見られないなんて、どれだけ悔しかったことか。

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