『全領域異常解決室』ついに“豊玉妃花”福本莉子の正体が明らかに 諸林めいの名演も光る

「僕も神です」

 衝撃的な次回予告で幕を閉じた『全領域異常解決室』(フジテレビ系)第5話。特殊な能力を持つ豊玉妃花(福本莉子)は果たしてヒルコなのかという疑念がつきまとうなかで、ついに物語の構造が見えてきた。

 東京の至るところで爆破予告が相次ぐ事件が発生。今回もヒルコから犯行声明が出され、「全決」が事件を担当することになった。一連の事件は「ヒルコ連続爆破未遂事件」と命名され、「全決」と警察が事件の解決に乗り出すと、現場の映像からは全ての場所に妃花が現れていることが明らかになる。だが、これまでの全ての事件ではマスコミに爆破予告を出した後に、警察には爆発物の場所が教えられていることから、仮に妃花がヒルコだったとしても、その裏には協力者らしき人間がいることは明確だ。興玉雅(藤原竜也)はマスコミに予告している人間と警察に通報している人間は別ではないかと疑う。

 そうこうしているうちに新たな爆破予告が届く。これまでの4件は全て爆発の1時間前にマスコミに向けて予告されていたが、今回は30分前に告知。すでに現場は混乱状態に陥っていたが、薬剤師の生嶋未智(星野真里)がやってきて、爆発物が入ったカバンを発見し、逸れた子どもを救出する。子どもは助かったが、未智は爆風に巻き込まれ病院へと運ばれる。

 なぜ、未智は爆発物の場所が分かったのか。興玉の尋問によって導き出されたのは、彼女には千里眼の能力があるということ。だが、未智の様子がどこかおかしい。そこに娘の未琴(諸林めい)がやってくると、興玉は何かを悟ったように握手を求める。再び爆破予告が出されると、未智は未琴と協力して爆発物の場所を探し当てた。すると、全ての力を出し切ってしまったように未琴が気を失ってしまう。

 そう、千里眼の力を持っているのは未智ではなく、未琴だったのだ。未琴のおかげで、お台場で起こった爆発から生き延びた興玉と雨野小夢(広瀬アリス)。未琴は人知れず、世の中の人を救っていたのである。未智が誘拐されてしまったとき、「君の命を最優先する」と真剣な面持ちで語る興玉は、未琴を幼子ではなく一人の大人として扱っているように見えた。それはまた、「お母さんを助ける」と決意する未琴の表情にも表れていた。このシーンで印象的だったのは、未琴を演じた諸林めいの演技だ。2024年に放送された『お迎え渋谷くん』(カンテレ・フジテレビ系)では、渋谷大海(京本大我)の歳の離れた妹・渋谷音夢を愛嬌たっぷりに演じていたが、本作では大人びたセリフ回しで、只者ではないオーラを放っていた。SNSでも諸林の演技に対しては反響が寄せられており、まさに天才子役誕生である。

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