『光る君へ』矢部太郎の泣き笑いの表情の魅力 乙丸が誰よりもまひろと賢子を理解する人物に

 吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第37回「波紋」の放送後には、まひろ役の吉高由里子、乙丸役の矢部太郎、そして宰相の君役の瀬戸さおりが登場した。

 第37回では一条天皇(塩野瑛久)の皇子を出産した中宮・彰子(見上愛)は、まひろの書いた物語を冊子にして天皇への土産にしたいと口にし、まひろをはじめ、女房たちは力を合わせて豪華本の制作に励んだ。その後、まひろは父・為時(岸谷五朗)と娘・賢子(梨里花)の顔を見るために一度里に下がる。

 久しぶりに家族のもとへ帰ったまひろだったが、娘・賢子との間には溝がある。まひろからも賢子からも、なかなか会えずにいた寂しさを覚えていることは伝わってくるのだが、それを言葉や行動でうまく表すことができない。2人のやりとりを通じて、気難しい性格がとてもよく似ていることが伝わってくるのは愛おしいが、うまく言葉を交わすことができない姿はなんとも切なかった。

 そんな2人を従者として見守り続けているのが矢部太郎演じる乙丸だ。矢部はまひろの宮仕えについて、ずっとそばで仕えていた身として、まひろが皆に認められて必要とされていく様には「うれしい気持ちが一番大きい」と話す。また「本当にまひろさんに仕えさせていただいていたっていうのが、自分もすごく光栄で誇らしいというところがありますね。一方で、お別れしてしまって離れているのが、やっぱり今まで一緒にいさせてもらった分、すごくさみしさがありますね」とも語っていた。まひろについてコメントする矢部の真摯な姿勢は乙丸そのものに感じられ、聞いていてあたたかい気持ちになる。

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