松本まりかが目指す“幸せ”な現場づくり 「人に大切なものを伝えられる人間でありたい」

 松本まりかにとって、GP帯連ドラ初主演となる『ミス・ターゲット』(ABCテレビ・テレビ朝日系)は、さまざまな男を手玉に取ってきた百戦錬磨の結婚詐欺師が、本気の婚活に乗り出していくエンタメラブストーリー。恋愛ドラマの王道をギュッと詰め込んだ展開が話題を集めている。そんな本作において、ヒロインのすみれを演じている松本にインタビュー。おっとりとした口調のなかに秘められた強い信念と嘘のない言葉。彼女が求められる理由が垣間見えるインタビューとなった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

15歳の自分にかけてあげたい言葉

――『ミス・ターゲット』は、松本さんにとって記念すべきGP帯連ドラ初主演作になります。

松本まりか(以下、松本):15歳でデビューしたとき、いつかGP帯の主演ができるような人になれたらなぁと思っていました。やっぱり、この仕事をしていたら、みんな目指す場所ですよね。でも、あまりにも遠すぎるというか。自分がそんな夢を持つのなんておこがましいと思ってしまうくらいだったので、いつしか忘れてしまっていて。雑誌の表紙などもそうですが、ただ目の前のお仕事に全力で取り組んでいたら、チャンスが回ってきてくれたという感じです。

――女優デビューをした頃の自分に、どのような言葉をかけてあげたいですか?

松本:うーん。ここがゴールではないけれど、「あなたが行きたがってる場所に来られたよ」と言ってあげたいですね。あと、「積み重ねているものは、間違いじゃないよ」って。「ちょっと時間がかかりすぎたけどね」とも言っておきたいです(笑)。

――GP帯連ドラ初主演と聞いて、「まだやっていなかったんだ!」と驚いた人も多かったと思います。

松本:実は、GP帯の連続ドラマにレギュラー出演するの自体が4本目とかなんですよ。深夜ドラマやネット配信作品、あとはゲスト出演が多くて。

――もっとたくさん出られているイメージがありました。

松本:そうですよね。わたしの場合は、ネットニュースとかで名前を出していただく機会も多いので、記者の方々にも感謝しているというか。「本当にありがとうございます」という気持ちで。

――GP帯連ドラ初主演に続き、映画『湖の女たち』では主演を務めるなど、今年はまさにターニングポイントとなる1年になりそうですね。

松本:たしかに。すでに転機となる1年になっている気がします。自分を取り巻く環境を変えたというのもありますし。わたしは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)を観て、「こういう映画に出られる人になりたい!」と思っていたので、映画に出られて、しかも主演を飾れるというのはすごく嬉しいことです。今になって、青春時代の夢が叶っていっている気がします。

松本まりかが思う“幸せな現場”とは?

――『ミス・ターゲット』で共演されている鈴木愛理さん、川西賢志郎さんにも取材をさせていただいたのですが、お2人とも松本さんが座長として素晴らしいという話をされていました。

松本:本当ですか……? そんなふうに言ってくださって嬉しいです。とにかく、みんなにとって幸せな現場だったらいいなと思いながらやっているので。

――松本さんにとっての“幸せな現場”とは?

松本:現場に来るのが楽しいって思えることですかね。大変じゃない撮影なんてないけれど、その大変さを凌駕するくらいのやりがいがあれば、楽しむことができるんじゃないかなって。あとは、全員が自分の居場所を見出せる現場にしたいなと思っています。『ミス・ターゲット』の現場って、みんなが笑ってるんですよ。「本番!」って声がかかる前もゲラゲラ笑って、かかったあとも笑って。「わたし、寝てないはずなのに全然疲れてない!」って思うことがよくあるんです。「なんでこんなに余裕があるんだろう?」と不思議になるくらい。毎日、共演者のみなさんにもスタッフの方々にも感謝が止まりません。

――お話を聞いただけで、すごく幸せな現場だというのが伝わってきます。

松本:みんな幸せそうです。多分、すごくいい信頼関係を持ちながらできているから、ストレスがないんですよね。『ミス・ターゲット』の物語も楽しい雰囲気だから、現場の楽しさが反映されたらいいなと思うし。わたしも、ここぞとばかりにとことんふざけています(笑)。リラックスができる環境でやっていると、芝居が固くならないし、生き生きしてくる気がします。

――上杉柊平さんや鈴木愛理さんなど、後輩にあたる方もたくさん出演されていますが、接する上で何か意識されていることはありますか?

松本:今まで、自分はまだ学んでいる途中だから、誰かに何かを与えるなんてできないと思ってきたんです。でも、だんだんそれは甘えだなと思うようになってきました。人に対して、大切なものを伝えられる人間でありたいし、伝えられるものがないのなら、見つけるべきだよなって。でも、人に親切にするとか、下の子に何かを教えてあげるとか、そういうのは嘘ではやりたくないんですよね。

――“嘘”というのは?

松本:「ありがとう」と感謝を伝えるのですら、偽善者っぽくて嫌だなと思っていたことがあったんです。社会というものは、人に感謝しないといけないし、礼儀を尽くさなければならないのに、わたしはそれができない。お世辞も嘘も言えないから、どうしたらいいんだ……と思って。

――すごく意外です。そんな時期があったんですね。

松本:当時は、人間としてすごく未熟だったんですよね。でも、嘘がつけないなら、心からできるようにならなきゃいけないと思って。たとえば、人に興味を持つようにしたら、その人のために何かしてあげたいと思えるようになるじゃないですか。きちんと挨拶をしようとか。そんなふうに考えを改めていくうちに、気づいたらすごく人を好きになっていました。今では、上も下もなく、「みんな好き!」という感じです。だから、下の世代の子たちともうまく関われるようになったのかな。

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