高橋一生の“子供”のような表情に息を呑む 『6秒間の軌跡』が問う「全力で生きているか」
オマツリサワギの親が経営するワイン会社の創立記念日に立体的なワイングラスの花火を上げた星太郎。打ち上げは見事に成功し、献身的にサポートしてくれたふみかをついに星太郎は部外者立ち入り禁止の火薬の配合場所に招き入れる。ふみかは心から嬉しそうな顔をしていたが、後日配合のレシピとともに姿を消した。
星太郎が作る花火の“紅”に惚れ込んだとして、弟子入りを志願したふみか。代々受け継がれてきた望月煙火店が出す紅の色は特別で、試行錯誤の末に編み出されてきた配合のレシピは門外不出だ。それを分かった上でふみかは外に持ち出した。もしそれが他の花火師の手に渡れば、競技会で望月煙火店は不利になるかもしれない。競技会には、ふみかの実家である昨年の優勝者・野口煙火店もエントリーしているという。これまでの彼女を見ていたら俄かに信じがたいことではあるが、最初からふみかは望月煙火店と競わせた上で野口煙火店を勝たせるために星太郎に近づいたのだろうか。
異変に気づいた星太郎は、こうなることがわかっていたんじゃないかと航に詰め寄る。それに一切動じることなく航が呟くのは、星太郎がイケメン花火師特集の取材を迫るマスコミに啖呵を切った時に吐いた台詞だ。花火は上げてみるまでわからない。どんなに技術や思いを込めても、思った通りの花火が上がるとは限らない。それでも全力でやるのが花火師であり、コントロールしようとするのはおこがましい……星太郎はそう言った。だけど、今の彼はどうだろう。花火と同じように、不確定な未来に躍らされて今を見失っている。航から事前に何が起きるかを聞き出して、未来をコントロールしようとしている。
「花火、作ってるけど作ってねぇよな。玉に何にも込めちゃいねぇもん。そんな花火、上げられるのか? お客さんに」
星太郎だけではなく、航の問いかけが胸に刺さった視聴者も多いのではないだろうか。未来の出来事は予想不可能なものであり、その時が来るまで誰にも分からない。それなのに私たちは“最悪”を考えて不安に怯え、つい今を疎かにしてしまうことがある。航の星太郎に対する問いかけは、そんな私たちへの「今を全力で生きているか?」という問いかけだ。星太郎は何も答えられなかった。そして、航は星太郎に「花火師失格」の烙印を押す。星太郎の父であり、花火師の師匠でもある航の言葉はあまりに重いが、彼なりの叱咤激励なのだろう。星太郎にとっての大事な成長ポイントが再びやってきた。
■放送情報
土曜ナイトドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:30~0:00放送
出演:高橋一生、橋爪功、本田翼、宮本茉由、小久保寿人、原田美枝子
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日)、竹園元(テレビ朝日)、松尾崇
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、後藤達哉(テレビ朝日)、山形亮介(KADOKAWA)、新井宏美(KADOKAWA)
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company
音楽:森英治
主題歌:ケツメイシ「泣いても笑って」(avex trax)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:KADOKAWA
©︎テレビ朝日
公式サイト :https://www.tv-asahi.co.jp/6byoukannokiseki_2/
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