『アンメット』“安全の鬼”吉瀬美智子を変えた杉咲花の信頼 ミヤビの記憶がつながり始める
津幡が過去を乗り越えたことは、今度はミヤビに影響を与える。助手を志願したとき、ミヤビの脳裏に再会してからの三瓶との会話がよみがえり、ミヤビは三瓶を信じてみようと思えた。前日の出来事を忘れてしまうミヤビにとっては、寸断されたとはいえ記憶がつながった瞬間であり、その鍵になったのは、相手を「信じる」という無形の感情だった。そのことと、目の前で津幡の変化を感じ取ったことは無関係ではない。登場人物が織りなす無意識の相互作用によって葛藤・対立状態を解消する一連の流れは、従来のドラマの定式を拡張するものとして評価できる。
三瓶をはじめとする登場人物たちは、ミヤビの失われた記憶に働きかける。ミヤビを知る綾野(岡山天音)と三瓶との三角関係や、救急部長の星前(千葉雄大)ら同僚との人間関係はドラマの契機を豊富にはらんでおり、第4話以降も充実した展開が期待できる。最後に、本作の劇伴を担当するのはfox capture plan。ピアノトリオとして精力的に活動するかたわら、『カルテット』(TBS系)、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)など映像作品の音楽を多数手がけている。本作でもコメディタッチの場面転換などで、最小限で最大の効果を上げている。
■放送情報
『アンメット ある脳外科医の日記』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:杉咲花、若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、山谷花純 尾崎匠海(INI)、中村里帆、安井順平、野呂佳代、千葉雄大、小市慢太郎、酒向芳、吉瀬美智子、井浦新
原作:子鹿ゆずる(原作)・大槻閑人(漫画)『アンメット-ある脳外科医の日記-』(講談社『モーニング』連載)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:fox capture plan
主題歌:あいみょん「会いに行くのに」(unBORDE/Warner Music Japan)
オープニング曲:上野大樹「縫い目」(cutting edge)
演出:Yuki Saito、本橋圭太
プロデューサー:米田孝、本郷達也
制作協力:MMJ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/unmet/
公式X(旧Twitter):@unmet_ktv