藤ヶ谷太輔×奈緒、『傲慢と善良』でW主演に 辻村深月「お二人に託せて本当によかった」

 9月27日に公開される辻村深月原作の映画『傲慢と善良』のW主演を、藤ヶ谷太輔と奈緒が務めることが発表された。

 本作は、2023年に最も売れた辻村深月の同名小説を原作としたドラマティック恋愛ミステリー。主人公の架と真実はマッチングアプリで出会い婚約。しかし、その直後に真実が突然失踪してしまう。架は彼女を探すうちに、“知りたくなかった過去と嘘”が明らかになる。すべてをさらけ出した2人がたどり着く“一生に一度の選択”とは。

 藤ヶ谷が演じるのは、30代になりマッチングアプリで出会った真実と付き合うもなかなか将来を決めない“傲慢”な西澤架。この小説に出会ったときから衝撃を受け「一番心に刺さって感銘を受けた小説。もし映像化されるなら絶対に自分が演じたい」という強い意志が伝わり、満を持しての映画化となった。藤ヶ谷は、「子供の頃に置いてきてしまった気持ちが言語化されている。辻村先生が自分のことを知っているのかと錯覚するぐらい」と架の一挙手一投足に共感を重ねたと明かす。映画化決定前からテレビや雑誌などで「人生で一番好きな小説」と紹介していたこともあり、辻村も「藤ヶ谷さんに演じてもらえて嬉しかった」とコメントを寄せた。

 奈緒が演じるのは、親の敷いたレールの上で“善良”に生きてきたが、婚約直後謎の失踪をとげる真実。奈緒もまた「辻村先生の映画に出るのが夢だった」とコメント。「ミステリー要素がありながら、人生の選択について見つめ直すことができる作品。誰のどの部分に共感するか、人によって解釈が変わる面白さもある」と原作を熱弁した。撮影現場に訪れた辻村自身も「このお二人に架と真実を託せて本当によかった」と絶賛している。

 藤ヶ谷と奈緒はドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ)以来、4年ぶり2度目の共演となる。

 監督を務めるのは、『東京喰種トーキョーグール』や『サヨナラまでの30分』を手がけ、公開待機作の『ブルーピリオド』でもメガホンを取った萩原健太郎。「原作小説の行間にある架と真実の感情の機微をお二人が繊細に表現してくださったお陰」「“傲慢”さと“善良”さは表裏一体で、きっとその狭間を行き来しながら生涯付き合っていかなければなりません。本作が、完璧じゃない他人や自分を受け入れて前に向かって進む一助となることを願っています」とコメントを寄せた。

 脚本を手がけたのは、ドラマ『最愛』(TBS系)などの清水友佳子。辻村深月からの信頼も厚く、原作者と脚本家がお互いにリスペクトの念を持ちながら映画の脚本が出来上がったという。

 また、原作表紙のイラストを手掛けたイラストレーター雪下まゆが、映画化に向けて原作版の「その先の物語」を表現するイラストを描き下ろした。原作版では真実が1人で夜景をぼんやりと見つめている姿だが、今回は架と真実の2人で登場。真実が肩にもたれ掛かり同じ方向を見ているようで、2人の目線の先はどこか揃っていないティザービジュアルとなった。

 あわせて公開された場面写真には、失踪した真実を探す架の、心配そうにも、切羽詰まったようにも見える表情と、原作の表紙を彷彿とさせる真実の表情が対比されるように切り取られている。

コメント

藤ヶ谷太輔(西澤架役)

映画化が決まる前から、「人生で1番好きな小説」に挙げていたほどこの作品が大好きでした。辻村さんは僕のこと知っているのかなって思えるぐらい、僕自身の物語のように思いました。「もし映画化するなら絶対に架を演じたい。叶わなければ一生後悔する。」と思い、原作の関係者の方へもアプローチしてご縁がつながり本作のオファーをいただきました。僕の俳優人生の中でも並々ならぬ想いで演じました。まだ気づいていない潜在的な感情に気づくことができ、自分の世界が広がるような作品です。恋愛面だけでなくミステリー要素も織り込まれているとても魅力的な作品です。

奈緒(坂庭真実役)

辻村先生の作品に出演したいとずっと思っていたので今回夢が叶って嬉しいです!私自身いいところばかりの人間ではないのですが、昔から「いい子だよね」と善良に見られることも多いので真実とリンクしました。地方出身ならではの恋愛観や価値観にも共感できましたし、私自身30代目前となり人生の選択を考える時期になりましたので、様々な選択が描かれているこの作品に出会えて幸せです。藤ヶ谷さんや監督と結婚や恋愛の価値観についてとことん話し合いました。自分が好きになれなくて蓋をしたい気持ちを「傲慢と善良」という言葉が救ってくれるようなとても希望のある作品です。

萩原健太郎(監督)

架は天然なんだけどどこか憎めないキャラクターです。スターなのに誰とでも常にフラットに接する藤ヶ谷さんと重なる部分を感じました。藤ヶ谷さんのコアにあるそういう人間に対する優しさが常に滲み出て、現場でどんどん架の事が好きになりました。奈緒さんは真実というキャラクターの背景をどこまでも深く広く想像力をもって演じてくださいました。撮影前は想像していなかった真実の姿を見る度に真実が自分の想像を超えて魅力的な女性であると気付かされました。原作小説の行間にある架と真実の感情の機微をお二人が繊細に表現してくださったお陰で実写映画化した意味を強く感じました。「傲慢」さと「善良」さは表裏一体で、きっとその狭間を行き来しながら生涯付き合っていかなければなりません。本作が、完璧じゃない他人や自分を受け入れて前に向かって進む一助となることを願っています。

清水友佳子(脚本)

発売以来、多くの読者の心を揺さぶり続ける本作の脚色を担うプレッシャーは計り知れないものでした。小説の完成度があまりにも高いため映像作品として再構築するのは大変難しい作業でしたが、世界観を見誤らぬよう何度も原作を読み返し、辻村先生の助言も頂きながら執筆を進めました。完成した本編を見て強く印象に残ったのは、藤ヶ谷太輔さんと奈緒さんの圧倒的な表現力です。不完全だからこそ愛おしい架と真実がそこにいました。お二人の緻密で繊細なお芝居が、物語に深い奥行きを与えて下さいました。ラブストーリーでもあり人間ドラマでもある本作が、観て下さった皆様に愛して頂ける作品になることを祈っています。

辻村深月(原作)

「あ、架と真実がいる」お二人の姿を撮影現場で目にしての、最初の感想でした。ただ、原作の二人はともに一癖も二癖もある人たち。そんな架と真実そのものと言われるのは抵抗もありませんか?と尋ねる私に「いえ!今この瞬間は、その言葉が何よりも嬉しいです」と藤ヶ谷さんがこたえ、奈緒さんが微笑みながら頷いてくださった瞬間、ああ、このお二人に彼らを託せて本当によかった、と感じました。何年も前から架役の藤ヶ谷さんが原作を心に深く刺さった本としていろんな場面でお話ししてきてくださっていたこと、真実役の奈緒さんが中学生の頃から私の本を愛情深く読んできてくださったこと、以前から伺って、とても光栄に思い、感謝してきました。映画の完成を心から楽しみにしています。

■公開情報
『傲慢と善良』 
9月27日(金)全国公開
出演:藤ヶ谷太輔、奈緒
監督:萩原健太郎
脚本:清水友佳子
原作:辻村深月
配給:アスミック・エース
©2024「傲慢と善良」製作委員会
公式サイト:https://gomantozenryo.asmik-ace.co.jp
公式X(旧Twitter):@goman_zenryo(https://twitter.com/goman_zenryo)
公式Instagram:@goman_zenryo(https://www.instagram.com/goman_zenryo/

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