関口メンディーが『パリピ孔明』で見た新しい景色 自身にとっての憧れのアーティストとは

 フジテレビ系にて放送中のドラマ『パリピ孔明』。『ヤングマガジン』(講談社)にて連載中で、単行本の累計発行部数は160万部を突破する人気コミックを実写ドラマ化した本作は、天才軍師・諸葛孔明が現代の渋谷に転生し、歌手を目指すアマチュアシンガー・月見英子を成功に導いていく音楽青春コメディだ。そんな本作で、関口メンディーが演じるのは、スーパーアーティスト・前園ケイジ。SNSでも登場のたびに話題となっているキャラクターをメンディーはどのように演じているのか。役づくりや自身にとってのスター像について話を聞いた。

「頑張ったからこそ見えてくる景色があった」

――『パリピ孔明』に出演することが決まったときの気持ちを聞かせてください。

関口メンディー(以下、メンディー):最初にオファーをいただいたときは、素直に嬉しかったです。僕はアニメ版も、いちファンとして楽しませてもらっていました。とにかく大好きな作品です。オファーのときには歌を歌うこともお願いされていましたが、今まで(パフォーマーをやっていたので)歌の練習をきちんとしたことはなかったんです。どこまで持っていけるのかと正直不安な部分もありました。ですが、これも一つの挑戦としてやってみたいと感じたので、ボイストレーニングに通って臨みました。プロフェッショナルな制作チームを集めて出来た楽曲は、グループとしても使いたいくらいです。

――アニメ版からのファンとのことですが、どのあたりに惹かれましたか?

メンディー:理由の一つは、サクセスストーリーだということ。僕は、弱い人が強くなっていく物語が好きなんです。実はGENERATIONSの候補生になったとき、自分は最年長にもかかわらず一番ダンス歴が浅いのに、5つも下のメンバーはダンス歴が十数年もありました。明らかにパワーバランスがおかしいところからスタートしているので、英子が強い人たちの中にポンと入れられてあがくところに自分を重ね合わせてしまいます。そういう意味でもすごくストーリーに惹かれました。それが音楽業界の話だったので、なおさら感情移入しやすかったです。

――スーパーアーティストの前園ケイジを演じるにあたって意識した部分はありますか?

メンディー:原作を読んで、自分なりにキャラクターの解釈をしたうえで現場に入りました。現場では、監督からのオーダーに応えていく中で、ケイジのキャラクターがどんどん明確になっていきましたね。意識したのは監督をはじめとしたスタッフの方々と一緒にケイジを作り上げるというところです。自分のエゴのようなものはなるべく排除して、作品が良くなるように徹しました。

――普段のメンディーさんはパフォーマンスを担当していますが、『パリピ孔明』ではボーカルをしながら踊ることになりますね。

メンディー:ずっとパフォーマーとして舞台に立ってきたので、舞台の上では何かしていないといけないという勝手な思い込みがありました。だから踊らずに歌うということができなかった。そこで振付の辻元知彦さんから、今のままではスーパーアーティストでなくダンサーになってしまうからいろいろ試してみようと提案がありました。辻元さんのやり方はすごく特殊で、答えをくれるというわけではありません。言葉で説明するのがすごく難しいのですが、僕が知らなかったコンテンポラリーダンスの概念をインストールするイメージです。それは僕が今までやってきたことをアンインストールすることでもあり、何かを言われたわけではないけれど今までのことを全否定されているような感覚に陥り、感情が乱れそうにもなりました。でもちゃんとこれを聞いてケイジを演じないと変われないと思ったんです。まるで右利きを左利きにしろと言われたみたいな感覚でしたが、頑張ったからこそ見えてくる景色があったので、辻元さんにはとても感謝しています。ケイジをやったからこそ、見える世界が変わりました。

――今回ドラマに出演して、影響を受けた人がいれば教えてください。

メンディー:森山未來さんに一番影響を受けていますね。僕が一番好きな映画『モテキ(2011年)の主演をされていたときからずっと大好きでした。森山さんはコンテンポラリーダンスもやっているし、自分の中では憧れの存在です。今回、ご一緒できて本当に嬉しかったし、自分の夢が叶った瞬間でもありました。実はクランクインが森山さんとの撮影の日だったんです。ケイジの人格を作る上でキーとなるシーンということもあり、すごく気合を入れて行きました。そういう自分の緊張感を察して、森山さんが少し和らげてくださって。お芝居が洗練されているだけでなく、周りへの気遣いもある方だと知り、そこも含めて勉強になりました。

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