ウィリアム・フリードキン監督を追悼　『恐怖の報酬』シネマート新宿にて再上映決定

　8月7日にこの世を去ったウィリアム・フリードキン監督を追悼し、『恐怖の報酬』が9月15日よりシネマート新宿にて再上映されることが決定した。

　本作は、人生の底から這い上がるために、300キロにわたる一触即発のニトログリセリン運搬に命を賭けた男たちの運命を描いたサスペンス。アンリ＝ジョルジュ・クルーゾー監督の同名フランス映画のリメイクで、ユニバーサルとパラマウントが2000万ドル（現在の100億円相当）を共同出資。ロケは3大陸5ヶ国に及び、2年を超える製作期間を費やした。

　南米奥地の油井で大火災が発生。祖国を追われ、その地に流れてきた4人の犯罪者は、ひとり1万ドルという「報酬」と引き換えに、わずかな衝撃でも大爆発を起こす消火用ニトログリセリン運搬を引き受ける。2台のトラックに分乗した男たちは、火災現場まで道なき道を300キロ、ジャングルの奥へと進んでいくが、その先に待ち受ける彼らの運命とは。

　本作は初公開時、日本をはじめとする北米以外では、監督に無断で約30分カット、再編集され、92分の短縮版が配給された。さらに、共同出資が原因で権利者不明状態に陥り、以後長きにわたって全世界的に上映不可に。その後、フリードキン監督は2011年、自らスタジオ2社を提訴し権利者を特定。2013年に121分のオリジナル完全版のデジタルリマスターをヴェネチア国際映画祭でプレミア上映した。

　さらに、2014年ロサンゼルス、2015年パリ、2016年カンヌ映画祭、2017年ロンドンで上映。そして2018年、「単なる小規模なリバイバル上映であれば再公開を望まない」「再公開するならば“とてつもなく意義深いもの”でなければ興味はない」と語っていたフリードキン監督は、自ら権利処理の陣頭指揮を執り、ポスターや予告編、パンフレットも自ら監修し、日本での約40年ぶりの再公開が実現した。

　また、今回の再上映では、2018年の公開時にはシネマート新宿に存在しなかった、重低音出力と高解像度の音響を実現する「ブーストサウンド」システムを用いた上映となる。

■公開情報
『恐怖の報酬』
9月15日（金）～9月20日（水）シネマート新宿にて上映
出演：ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル、フランシスコ・ラバル、アミドゥ、ラモン・ビエリ
監督・製作：ウィリアム・フリードキン
脚本：ウォロン・グリーン
原作：ジョルジュ・アルノー『恐怖の報酬』
撮影：ジョン・M・スティーブンス、ディック・ブッシュ
美術デザイン：ジョン・ボックス
編集・製作補：バド・スミス
音楽作曲・演奏：タンジェリン・ドリーム
提供：キングレコード
配給：コピアポア・フィルム
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