『VIVANT』二階堂ふみが柚木薫を語る モンゴルでの生活は「人生でとても大事な2カ月間」

 TBS日曜劇場『VIVANT』に出演している二階堂ふみのインタビューコメントが公開された。

 堺雅人が『半沢直樹』シリーズ(TBS系)以来、3年ぶりに日曜劇場の主演を務める本作は、『半沢直樹』シリーズなどを手がけてきた福澤克雄が演出だけでなく原作も手がける完全オリジナルストーリー。

 二階堂が演じるのは、世界医療機構の医師・柚木薫。乃木憂助(堺雅人)と遭遇したことで命の危険にまでさらされ、あれよあれよという形で大きな“渦”の中に巻き込まれた。そんな薫を「大いに巻き込まれましたね(笑)」と二階堂は楽しそうに語る。

「でも、薫自身、世界医療機構の医療従事者としてバルカ共和国の人をはじめ、さまざまな人たちとみずから積極的に関わっていく人間。自立心があったり、自分の活動に対する思いや、人との関わりに対してすごく熱い思いを秘めたキャラクターなので、物語が進むにつれてその思いもどんどん形を変えていったり、関係性も変わっていきます。薫の気持ちの変化は、演じさせていただいて勉強になることばかりだなと思っています。とはいえ、巻き込まれ具合がすごいので『私にかまわず置いていってくれ、どうか!』と思いながら演じていました(笑)」

 薫は乃木や野崎守(阿部寛)とは違って、3年ほど現地で暮らしているという設定。第1話から第3まで、二階堂の流暢なモンゴル語も話題となった。どんな点を意識していたのだろうか。

「モンゴル語は難しかったです。薫がモンゴル語に長けているのは、現地に住んでいた年数というよりは、どこに住んでいても自分のやりたいことに対して能動的で正直に生きるキャラクターだからなのかなと思います。コミュニケーションを取ろうとして自然と習得していたということかなと。また、“女性だから”といった見え方にだけはならないようにしたいなと思いました。性別関係なく俳優部の1人として現場に臨みたいと考えていたので、もしかすると薫と自分の個人的な気持ちがリンクする部分があるかもしれません。性別も年齢も国籍も関係なく、自分の足で立っている人に見えるように演じることが、一番説得力が出ると思いましたし、そうあってほしいという願いもこめています。ただ、薫は危うさも持ったキャラクターですよね。負傷している乃木さんの居場所をあっさり警察に教えてしまうとか、医師という立場では本来すべきでない選択を初っ端でしていたりと、内なるものが良くも悪くも熱血漢で人間くさいところがあるなと思います」

 ここまでの撮影を振り返る中で、福澤監督とジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)とのやり取りが印象に残っていると二階堂は続ける。

「彼女(Nandin-Erdene Khongorzul)は芝居が初めてでこの作品がデビュー作になるのですが、監督もそれだけに彼女に対してすごく愛情深く指導されていました。日本での撮影はスタジオが多かったこともあり、ジャミちゃんのちょっとした仕草を監督がうまく切り取られていた感覚がありました。でも、2カ月ぶりにジャミちゃんとモンゴルで撮影することになったときに、しばらく長いシーンを演じていなかったこともあり、ジャミちゃんと薫が一時的に別れるというシーンがすごく難しくて。体を動かしながらお芝居をつなげていくのはすごく難しいことなので、久しぶりということもあって、なかなかうまくいかなかったんです。そこで監督がご自身でジャミちゃんを演じられたんです。それがめちゃくちゃお上手で。そのおかげでいい意味で緊張感が出たといいますか、監督に先にお手本を見せられちゃったら大変だ!と思いながら2人で演じました(笑)。全力でやってくださる方なんだなととても印象的でした」

 また、モンゴル生活ではハマったものがあるそう。

「そうなんです(笑)。馬糞がすごくいい香りがすることに驚きました。遊牧民の方に教えていただいたのですが『馬糞の香りを嗅ぐと故郷を思い出す』と、モンゴルの歌や詩の一節にもあるぐらい生活に根付いた知恵なのだそうです。最初は私もビックリしましたが、本当にいい香りでした」

 約2カ月以上にわたるモンゴルでの撮影は、二階堂の人生にとってかけがえのないものになったと明かす。

「撮影の帰りに遊牧民の方のお家にお邪魔したことがあったのですが、その時いただいたヨーグルトがモンゴルで食べた物の中で一番おいしかったです! モンゴルの地ではすごくいろいろなことを考えさせられたり、学ばせていただきました。動物との関わりについて貴重なお話を伺ってアップデートできたことがたくさんあったので、俳優としても自分の人生においてもとても大事な2カ月間だったと実感しています」

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
原作・演出:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS

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