伊藤沙莉「29歳は記念すべき年になっています」　中島健人との12年ぶりの再共演を語る

　2024年度前期のNHK朝ドラ『虎に翼』のヒロインに選ばれ、7月期放送の『シッコウ!!～犬と私と執行官～』（テレビ朝日系）ではゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演を務める伊藤沙莉。「29歳は記念すべき年になっています」と本人も語るように、今年は伊藤にとってキャリアの重要な転換点となりそうだ。

　大先輩・織田裕二との初共演や、自身と同じ1994年生まれの中島健人との12年ぶりの再共演は、彼女にどんな刺激を与えたのか。『シッコウ!!』の撮影現場でのエピソードや、作品の見どころについて聞いた。（編集部）

中島健人との再共演は「なんだか恥ずかしかった」

――ゴールデン・プライム帯連続ドラマ初主演、おめでとうございます。まずは意気込みを聞かせてください。

伊藤沙莉（以下、伊藤）：21時台はたくさんの方が観る時間帯ですし、物語としても幅広い方が楽しめる作品になっていると思います。その真ん中に立たせていただく以上、『シッコウ!!～犬と私と執行官～』がより多くの人に愛されるよう、率先して導いていけたらと思っています。

――執行官という仕事について、撮影が始まる前と後でイメージは変わりましたか？

伊藤：このドラマのお話をいただくまでは、執行官という職業を知りませんでした。撮影する中で、執行官はすごく重要な役割を持っていて、この仕事があるからこそ成り立っていることがたくさんあるのだとわかってきましたね。“司法最後の砦”と呼ばれ、「果たさなくてはならない約束を守らせる人たち」なので、すごく魅力的な職業だと思いました。反面、織田さん含め執行官役の方々がやっていることを見て、きつい役割だな、と。だからといって私たちが想像するほど役割に見合った報酬をもらっているわけでもないので、厳しい世界だとも感じました。

――織田裕二さんとは初共演になりますね。

伊藤：織田さんといえば、私の中ではやはり青島（フジテレビ系ドラマ『踊る大捜査線』の主人公）のイメージでした（笑）。実は、私の母と伯母が織田さんのことがすごく大好きで、私自身も織田さんのドラマはほとんど観ています。織田さんが出るドラマは面白いというイメージでしたし、「絶対的な人」だと感じていたので、（会うまでは）怖さもありました。でも、本読みで初めてお会いしたときに「なんだか犬みたいだね」と話しかけてくださって。そのおかげで一気に話せるようになりました。

――実際、ドラマの現場ではいかがでしたか？

伊藤：織田さんはチャレンジ精神を持って「こうやってみたらどうだろう」とトライされる人。だから、織田さんについていけば、自分が思い描いていたプランと全く違うところに連れていってもらえるんです。私はどちらかと言うと提案するのが苦手なので、引っ張っていってくださったなと感じています。

――中島健人さんとは再共演になりますね。

伊藤：健人くんとは今回が3回目の共演になりますが、あんなにずっと王子様でいられる人がいるんだなと思いました。私が後ろを歩いていると、部屋に入る前には必ず「どうぞ」と先に入れてくれます。とてもジェントルマンですが、飾るわけでもなくフラットに話してくださる方ですね。健人くんは視野が広く、今自分がどうするべきかをわかっている人。私がお芝居で悩んでいたときにも楽屋まで来てくださいました。直接相談したわけではないのに、なんとなく空気を察知してくれたみたいで「俺もこうしようと思うから全然何も考えずにやってね」と言ってくれたのがすごくありがたかったですね。同じ年頃のキャストには（駒井）蓮ちゃんや笠松（将）くんもいますが、撮影後半にかけて一緒にいたのが健人くんだったので、だいぶ支えていただいたと思っています。

――以前、共演した『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』（日本テレビ系）、『大切なことはすべて君が教えてくれた』（フジテレビ系）では、どちらもクラスメイト役でした。

伊藤：『スクラップ・ティーチャー』から『大切なことはすべて君が教えてくれた』までは2～3年しか間隔が空いてなくて、そこから一気に飛び越えて10数年ぶりの共演だったので、今回はなんだか恥ずかしかったですね。『スクラップ・ティーチャー』の健人くんはとにかくヤンキーでしたし、『大切なことはすべて君が教えてくれた』ではいつも一人でいる鉄道オタクみたいな役だったので、作品の中でそこまで交わる機会もありませんでした。そんなこともあり今回、正面切って話す役ということが嬉しかったですね。芝居のテンポやノリが合っていた気がするので、改めて健人くんと一緒にお芝居ができて楽しかったです。