『VIVANT』堺雅人、“難役”乃木憂助を語る 「腹から出る感情を求められている」

 TBS日曜劇場『VIVANT』で主演を務める堺雅人のインタビューコメントが公開された。

 堺が『半沢直樹』シリーズ(TBS系)以来、3年ぶりに日曜劇場の主演を務める本作は、堺とは『半沢直樹』シリーズなどでタッグを組んできた福澤が演出だけでなく原作も手がける完全オリジナルストーリー。阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司、二宮和也が共演を果たす。

 第1話放送まで、堺が演じるキャラクターも一切明らかになっていなかった本作。キャラクター名は「乃木憂助」であること、「丸菱商事エネルギー事業部の課長」であることは明らかになったが、まだまだ謎が多い人物だ。堺は彼をどんなふうに捉えているのだろうか。

「乃木は丸菱商事エネルギー事業部の課長というエリートサラリーマンなのですが、取引で契約金の誤送金トラブルがあり、そのお金を取り戻すためにバルカ共和国に向かいます。でも、そこで世界中を巻き込む大きな渦に巻き込まれてしまう、そんな男です。初めて台本を読んだときは、とてもチャレンジングな役をいただいたなと思いました。しかも、同じ画面に自分が2人映るなんて(笑)。役者として、大きな宿題をいただいているなと使命を感じました」

 福澤監督は何度もタッグを組んでいる堺。福澤監督とは「本気でぶつかっている」と堺は明かす。

「日曜劇場『南極大陸』からご一緒させていただいている福澤監督は、本気でぶつかれば、いくらでも受け止めてくれる方で、毎回刺激をいただいています。監督は頭で考えただけの芝居を嫌うので、体でぶつかり、心で動いて、本当の感情が出ないといけません。今回の台本を読んで、深い愛情と大きな課題を感じました。撮影では本当に“生き物として”ぶつかっているような感覚でした。自分の芝居のもう1つ大きなものを求められている感じがして。深く腹から出る声というか、腹から出る感情を求められているという感覚ですね。それは画面にも滲み出ていると思います」

 第1話から広大なモンゴルの風景が作品のスケール感を支えていたが、堺も約2カ月間にわたりモンゴルに滞在していたという。

「モンゴルには約2カ月間滞在しましたが、僕にとっては夢のような時間でした。20年ほど前に一人旅で赴いたこともあり、大好きな国です。今回は首都のウランバートルだけではなく、ゴビ砂漠にも行けましたし、観光ではなかなか行けないような場所にも行けました。2カ月間生活することで、旅行者の視点ではなく、そこに生活する者の視点で、モンゴルという国を体感できたことが、モンゴルに強い憧れを持っていた自分としては、とても充実した毎日でした。しかも、野崎守役の阿部寛さん、柚木薫役の二階堂ふみさんをはじめ、本当に素晴らしいキャストの皆さんと毎日お芝居ができる、それが俳優として何より幸せでした。ただ、モンゴルには日本からの直行便の本数が少ないので、モンゴルへ向かうにも一苦労で、それに、ホテルからロケ地への移動も、舗装されていない道を車で数時間かけて進むという厳しいものでした。もうアトラクションのように揺れ続けます。でも、慣れるとその中でも眠れるんですよ(笑)」

 モンゴル生活では「ラクダにも乗れたのも、今回のロケで嬉しかったこと」と堺は明かす。

「ラクダも人間みたいに一頭一頭、本当に顔が違うんです。丸顔のラクダもいて、とても個性的。怒るとツバを吐いてくるんです(笑)。一頭をかわいがると、別のラクダがつまらなそうな顔をして。ラクダも嫉妬するんですね(笑)。モンゴルの遊牧民の生活は、動物の中に人間がいるような感覚です。僕らも生き物であって、その輪の中で一緒にお肉をいただいたり、乳をいただいたりして、生きているということを深く実感しました。ラクダ、馬、ヤギ、羊も大事な共演者です。また、モンゴルは日照時間が長く、毎日、日の入と日の出を見るという貴重な体験もしました。見渡す限りの地平線に、太陽が昇ってから沈むところまで見られるんです。『なんて生物としてちゃんとした毎日なんだろう』と思いました」

 最後に視聴者へ向けて、「第1話をご覧いただき、本当にありがとうございます。“世界に通用する作品をつくりたい”というのが、福澤監督の思いです。「世界中の皆さんに、日本の文化、日本の俳優、日本のドラマはこんなに面白いんだと思ってもらえるドラマにしたい」という言葉を最初にいただきました。そして、それに向けて、キャスト・スタッフ全員がワンシーン、ワンカットにすべての力をギュッと詰め込んで作ってきた作品です。毎週日曜日、ハラハラドキドキの時間を過ごしていただけたらと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします」とメッセージを送った。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
※第2話は79分SP
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
原作・演出:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS

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