『仮面ライダーガッチャード』は先祖返りした作品に? ニチアサ制覇の音楽・高木洋にも注目

 テレビ朝日系で現在放送中の特撮番組『仮面ライダーギーツ』が佳境を迎える中、遂に発表された令和5作目の新ヒーロー『仮面ライダーガッチャード』。

 カードに保管されていたはずの人工生命体ケミーが解放されてしまい、それに巻き込まれた主人公の高校生が仮面ライダーガッチャードに変身する。発表されたその姿は、往年のライダーファンならニヤリと出来るバッタのモチーフがしっかりと込められている。

 ガッチャードの頭部に見られる楕円形のゴーグルと、その中央にオレンジ色のシグナル、2本のアンテナ。これは原点にして原典の仮面ライダー1号から受け継がれているO(オー)シグナルと、バッタの触覚をデザイン的に落とし込んだものだろう。

 令和の仮面ライダーゼロワン、仮面ライダーリバイ(レックスゲノム)の顔にも、中央から左右に伸びるV字型パーツの間にシグナルという仮面ライダーの伝統が見られる。ガッチャードはさらに仮面ライダー1号のクラッシャーに該当するギザギザがゴーグルの真下に見え、ちょうど1号ライダーがクラッシャーを開いたその下に、ガッチャードのオレンジ色の複眼が現われるようなデザインだ。

 石ノ森章太郎が1970年代に発表した『仮面ライダー』の漫画でも、ライダーのクラッシャーを開いた奥に本郷猛の顔が見える絵があることから、生誕50周年を迎えた仮面ライダーの先祖返りを思わせる。深紅ならぬ白いマフラー、濃紺ではなくライトブルーの配色と、前述の通り額のシグナルとクラッシャー、触覚に該当する2本のアンテナなどは原初の仮面ライダーを彷彿とさせる外見で、実際にアクションを繰り広げる姿が待ち遠しい。

 カードから飛び出したケミーの力を使って変身する設定自体も、仮面ライダーの能力は戦うべき敵と同じもの、という昔ながらの設定をきちんと踏襲している。そもそもバッタのケミーとSL(蒸気機関車)のケミーを組み合わせた「仮面ライダーガッチャード スチームホッパー」が基本形態なのだから、仮面ライダーは大自然が遣わしたバッタのヒーローといった基本設定に忠実な姿だ。仮面ライダーは膨大なシリーズ展開を重ねる中で、モチーフがバッタでも昆虫でもなくなった作品が多々あり、令和最初の『仮面ライダーゼロワン』で久々に基本フォームがホッパー(=バッタ)と明言されて以来、数年ぶりのバッタのヒーローなのも期待感を煽る。

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