そのほか今週は、「社会派スリラーか、それともQアノン（極右系陰謀論）映画か」と物議を醸している作品として先週ご紹介した『Sound of Freedom（原題）』がまさかの第2位にランクアップ。3日間の成績は2700万ドルで、前週比+37.2%と大幅上昇。北米興収は8549万ドルで、次の週末にも1億ドルを突破する見込みだ。低予算のインディペンデント映画としては稀に見る快挙とあって、もはや「極右や保守層が観に行っているだけ」という単純な批判は通用しなくなりつつある。

　第17位には、サンダンス映画祭で注目を浴びたサーチライト・ピクチャーズ製作『シアター・キャンプ』が初登場。名門演劇学校を父から継ぐはめになった息子が、演劇に無関心ながら、学校を存続させるべく3週間で新作ミュージカルを作り上げるというモキュメンタリーコメディだ。わずか6館で27万ドルと初動は上々、今後ゆるやかに北米で拡大公開の予定。

　本作は同名短編映画の長編化で、俳優のモリー・ゴードンが共同監督・脚本・主演、『ディア・エヴァン・ハンセン』（2021年）などのベン・プラットが脚本・出演を担っている。10月6日に日本公開も決定済み、ぜひ今のうちから覚えておいて。

北米映画興行ランキング（7月14日〜7月16日）

1.『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』（初登場）
5620万ドル／4327館／累計8000万ドル／1週／パラマウント

2.『Sound of Freedom（原題）』（↑前週3位）
2700万ドル（+37.2%）／3265館（+413館）／累計8549万ドル／2週／Angel Studios

3.『Insidious: The Red Door（原題）』（↓前週1位）
1300万ドル（-60.6%）／3188館（変動なし）／累計5808万ドル／2週／ソニー

4.『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』（↓前週2位）
1200万ドル（-56.2%）／3865館（-735館）／累計1億4535万ドル／3週／ディズニー

5.『マイ・エレメント』（↓前週4位）
870万ドル（-13.3%）／3235館（-205館）／累計1億2528万ドル／5週／ディズニー

6.『スパイダーマン：アクロス・ザ・スパイダーバース』（↓前週5位）
605万ドル（-24.7%）／2577館（-446館）／累計3億6879万ドル／7週／ソニー

7.『トランスフォーマー／ビースト覚醒』（↑前週8位）
342万ドル（-33%）／2041館（-434館）／累計1億5276万ドル／6週／パラマウント

8.『No Hard Feelings（原題）』（↓前週7位）
330万ドル（-38.9%）／2053館（-633館）／累計4659万ドル／4週／ソニー

9.『Joy Ride（原題）』（↓前週6位）
257万ドル（-55.7%）／2820館（変動なし）／累計1061万ドル／2週／ライオンズゲート

10.『リトル・マーメイド』（↓前週10位）
235万ドル（-36.3%）／1615館（-465館）／累計2億9391万ドル／8週／ディズニー

（※Box Office Mojo調べ。データは7月17日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります）

参照

https://www.boxofficemojo.com/weekend/2023W28/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/mission-impossible-dead-reckoning-box-office-opening-1235536975/
https://variety.com/2023/film/box-office/mission-impossible-7-box-office-opening-weekend-falls-short-1235671300/
https://deadline.com/2023/07/mission-impossible-dead-reckoning-tom-cruise-box-office-opening-1235439165/

■公開情報
『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』
7月21日（金）全国公開
監督・脚本：クリストファー・マッカリー
出演：トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェーニー、
配給：東和ピクチャーズ
原題：Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
©2023 PARAMOUNT PICTURES.