アイヒマン処刑までの最後の日々を描く ジェイク・パルトロウ監督『6月0日』9月公開へ
最重要ナチス戦犯であるアドルフ・アイヒマンが処刑されるまでの最後の日々を描いた『June Zero(原題)』が、『6月0日 アイヒマンが処刑された日』の邦題で9月8日に公開されることが決定した。
本作は、グウィネス・パルトロウの弟のジェイク・パルトロウが監督・脚本を務めたヒューマンドラマ。これまで『マッド・ガンズ』や『デ・パルマ』などを監督してきたジェイク・パルトロウにとって、初の外国語作品となる。イスラエルで取材を進める中、「実際に焼却炉を作った人の息子をインタビューしたのがきっかけでこの物語が生まれたんです。火葬を行わない文化・宗教において、それが実行された事実に興味を覚えました」とストーリー作りの発端を明かす監督は、共同脚本にイスラエル出身のトム・ショヴァルを迎え、ヘブライ語で脚本を完成させた。撮影はイスラエルとウクライナで行われ、監督のこだわりによってスーパー16mmフィルムで撮影された。
第二次世界大戦時、ナチス親衛隊中佐としてユダヤ人の大量虐殺に関わったアドルフ・アイヒマンは、終戦後逃亡しブエノスアイレスに潜伏していた。しかしイスラエル諜報特務庁により、1960年に捕らえられ、61年12月に有罪が確定。全ての訴状で有罪となったアイヒマンの処刑は、イスラエルの「死刑を行使する唯一の時間」の定めに基づき、1962年5月31日から6月1日の日が変わる真夜中に執行された。処刑後アイヒマンの遺体を焼却するため、秘密裏に焼却炉の建設が進められる。宗教的・文化的にも火葬を行なわないイスラエルで、この世界史の大きな節目に深く関わることとなった焼却炉を作る工場の人々、そこで働く13歳の少年、アイヒマンの刑務官、ホロコーストの生存者である警察官、市井に生きる人々を通して、これまで描かれることのなかったアイヒマン最期の舞台裏が描かれる。
あわせて公開された場面写真では、アドルフ・ヒトラーが表紙に描かれた冊子を読む少年たちや、遺体を焼却するための焼却炉、焼却炉を作る工場の人々の姿が切り取られている。
■公開情報
『6月0日 アイヒマンが処刑された日』
9月8日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督:ジェイク・パルトロウ
脚本:トム・ショヴァル、ジェイク・パルトロウ
配給:東京テアトル
2022年/イスラエル・アメリカ/ヘブライ語/105分/ヨーロピアン・ビスタ/カラー/原題:June Zero/日本語字幕:齋藤敦子
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公式サイト:rokugatsuzeronichi.com