目黒蓮、ファンを“沼らせる”役とのギャップ 『わた婚』『silent』で一躍スターダムに
『silent』(フジテレビ系)、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)、映画『月の満ち欠け』、そして現在公開中の映画『わたしの幸せな結婚』と、2022年から2023年にかけて出演作や主演作のドラマや映画が立て続けに公開となり、常に話題の人物となっていた俳優がいる。そう、Snow Manの目黒蓮だ。
目黒が演じた役は、それぞれ境遇や性格が異なっているのだが、不思議なことにどれも目黒にぴったりのハマり役だ。
偶然なのかもしれないが、目黒が演じるのは物静かな人物が多い。そしてその佇まいが、いつもどこか憂いを帯びているのだ。『わたしの幸せな結婚』で目黒が演じる久堂清霞は、冷酷無慈悲な軍人と噂され、実際、最初の頃は嫁いできた斎森美世(今田美桜)にも態度が冷たい。でもその態度には変な威圧感がなく、むしろ寂しさや諦めが感じられた。このほんの少し感じられる“悲しさ”が「この人物には、何か秘密があるのだろうか」とか、「過去に何かあったのだろうか」と興味を掻き立てられるきっかけとなっている。
川口春奈×目黒蓮『silent』がドラマファン以外からも熱烈な人気を集める理由
切なくも温かい三角関係が観る人の心を打つ、木曜劇場『silent』(フジテレビ系)。本作が多くのファンの心を惹きつけ、聖地巡礼を…
その魅力が遺憾無く発揮されていたのが、『silent』で目黒が演じた佐倉想だろう。中途失聴者になった想は問題なく日常生活を送っていたが、学生時代の恋人・青羽紬(川口春奈)に再会したことで、病気になったことを受け入れた“風”だったことに気がついていく。紬との関係性の変化もこのドラマの見どころだったが、かつての親友である戸川湊斗(鈴鹿央士)や家族と再び向かい合って、自分の気持ちを確かめ、次第に明るく成長していく想の姿も感動的だった。
『舞いあがれ!』『silent』『月の満ち欠け』 目黒蓮が告白シーンで見せるバリエーション
ヒロイン・舞(福原遥)と柏木(目黒蓮)が結ばれた連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)第11週。真っ暗な食堂のテーブル下に…
静かでありながら存在感を感じさせるのも目黒の魅力のひとつだ。『わたしの幸せな結婚』の清霞は美世と心を通わせた後もあまり多くを語らないし、幼なじみで次代の帝である堯人(大西流星)と話す時も他と変わらず、幼なじみだからといって特別くだけた様子は見せない。このような振る舞いは『舞いあがれ!』で目黒が演じた“柏木学生”こと柏木弘明も同じだった。生真面目すぎる性格というのは、近寄りにくい印象を与え、時に気難しい人として周りから嫌がられるものだ。だが、清霞も柏木も多くはないが親しい友人がおり、仕事の面でも信頼されている。華々しいスターではないが、目が離せず、いつの間にか輪の中心にいる。目黒はそんな難しい役柄を自然体でやりきれてしまうのだ。「若手俳優」といわれる同世代の中でもめったにいない存在といえるだろう。