『女神の教室』北川景子は言葉で心の闇を抱きしめる 人生を変える太陽のような存在に

 誰にでも過去はある。悩みだってある。心が折れることだって、隠したい闇だってある。それらをすべて抱きしめてくれる人がいたら、どんなに心強いことだろう。

 “法曹界”を目指す学生が通う「ロースクール(法科大学院)」を舞台にしたドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)が大きな転換期を迎える。どこか合理的で人間味のなかった藍井仁(山田裕貴)が、まさかの事態に陥った前回。果たして彼らにどんな展開が待っているのか、期待を寄せている人も多いことだろう。

 本作を語る上で外せないのは、主人公で元裁判官の実務家教員・柊木雫の存在だ。試験には直接関係がないのかもしれないが、法曹界に身を置く者として、ひとりの人間として大切なことを授業で教える彼女。人間味があって、明るく、落ち込んでもすぐに立ち直る……。北川景子は、そんな彼女をまるで太陽のように演じ、暗闇を走る人たちの道を明るく照らしていく。

 柊木は、これまで実務演習を受ける天野向日葵(河村花)、桐矢純平(前田旺志郎)、照井雪乃(南沙良)、真中信太郎(高橋文哉)、水沢拓磨(前田拳太郎)ら生徒たち、さらには何かと意見が合わなかった藍井とも対峙して、皆の心に刺さった棘をひょいと抜いてきた。とことん向き合ってくれるから、強く閉じていた心の扉も開放されて、その人の運命すらも変えていく。

 たとえば、効率の悪い授業をする柊木に強く反発していた雪乃。彼女は過去、痴漢被害にあっていた。同じ学生から、痴漢されたという情報を聞きつけた雪乃は、その電車に乗って痴漢を退治しようとするも、過呼吸となり、ホームへと座り込んでしまう。

 そんな彼女に手を差し伸べたのは柊木だった。柊木は温かい飲み物を彼女に渡して「照井さんは強いね」と一言。「嫌なことがあると忘れる方が楽でしょ? 照井さんはちゃんと向き合って頑張ってる。検事になろうとしてる。強いよ」と述べ、闘っているのはあなた一人ではない、と優しい言葉をかけた。

 司法試験に落ちて、雪乃の心にポッカリと穴が空いたときだってそうだ。みんなと協力して彼女を支え、無事に雪乃はロースクールに戻ってきた。柊木は、こうして生徒に寄り添い、励まし、背中を押すことで、前を向くきっかけを作ってきたのだ。

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