『大いなる自由』予告編公開 表と裏に仕掛けが施されたティザービジュアルも
7月7日に公開される映画『大いなる自由』のティザービジュアルと予告編が公開された。
本作は、第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞、第94回アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品の人間ドラマ。第二次大戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、“愛する自由”を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描いた人間ドラマ。
監督・脚本を務めたのは、オーストリア人監督のセバスティアン・マイゼ。各国映画祭で高く評価された長編デビュー作『Still Life(原題)』以来の劇映画となる。撮影監督は『トムボーイ』や『ガールフッド』などを手がけたクリステル・フルニエが担当した。
1871年から1994年までの123年間施行された刑法175条はナチス時代に厳罰化され、処罰者は14万人にも及んだ。自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される主人公ハンスを演じたのは、ミヒャエル・ハネケ監督『ハッピーエンド』やドイツ映画賞主演男優賞に輝いた『希望の灯り』に出演し、ダンサー・振付師でもあるフランツ・ロゴフスキ。当初は同性愛者であるハンスを嫌悪しながらも、次第に心をほどいていく殺人犯ヴィクトールを、『Bright Nights(原題)』で第67回ベルリン国際映画祭最優秀男優賞を受賞したゲオルク・フリードリヒが演じる。
本日3月10日は、ドイツ連邦議会が1994年にこの刑法175条の削除を決定した日。公開されたティザービジュアルには、自身の性的指向により何度も投獄された主人公ハンスが、独房の小窓から手を伸ばすシーンが配置されている。裏側にはその対ともいえるシーンが配され、二つのシーンとチラシの表裏の関係が、刑務所の通路と扉そのものを思わせるデザインとなっている。
デザインを担当したのは、ゲルハルト・リヒターやマーク・マンダース、川内倫子、牛腸茂雄など錚々たるアーティストの展覧会や作品集に関わってきたデザイナー、須山悠里。洋画のデザインを手がけるのは今回が初となる。
実物のポスター/チラシには直径2mmの小さな穴が開いている仕様(穴の位置は、ハンスが伸ばした手の指の下あたり)。デザインを手がけた須山は、「劇中で印象的な“部屋の小さな窓” “本に穿った穴” “ミシンの針”に象徴される、微かに、あるのかどうかも分からないような自由へのアナロジーとして穴を開けたかった」とその意図をコメントしている。
公開された予告編は、主人公ハンスと、かつての恋人オスカーの幸せそうな8mmフィルムの映像と、公衆トイレで175条違反者摘発のために隠し撮られた監視カメラ映像の対比でスタート。執行猶予なしの24カ月の実刑を受けたハンスは、長期刑受刑者のヴィクトールと「まだここに?」「おまえは?まだ変態か?」と軽口を叩き合うことから、初めての投獄ではないことがわかる映像となっている。
■公開情報
『大いなる自由』
7月7日(金)Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
出演:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルク・フリードリヒ、トーマス・プレン、アントン・フォン・ルケほか
監督・脚本:セバスティアン・マイゼ
共同脚本:トーマス・ライダー
撮影監督:クリステル・フルニエ
編集:ジョアナ・スクリンツィ
音楽:ニルス・ペッター・モルヴェル、ペーター・ブロッツマン
配給:Bunkamura
2021年/オーストリア、ドイツ/116分/1:1.85/カラー/英題:Great Freedom
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公式サイト:https://greatfreedom.jp/
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