忍成修吾、“悪役俳優”として支持され続ける理由 『相棒』でも“怪しさ”が生かされる?
俳優の中には、これまで演じてきた役のイメージにより、出てきた瞬間に「主人公を救ってくれそう!」とか、「今はいいけど、のちのち悪役になるんだろう」と思ってしまう人がいる。1月25日放送の『相棒 season21』(テレビ朝日系)第14話に登場する忍成修吾は、どちらかといえば後者、怪しく思ってしまうタイプだ。
忍成が第14話で演じるのは、通り魔殺人を犯し、長年服役していた元受刑者・柳沼勝治。勝治は、間もなく出所となった半年前、脳梗塞で倒れ、瞬きなどで何とか意思疎通はできるが、体を動かすことも話すこともできない、寝たきり状態になってしまっていた。特命係の亀山(寺脇康文)の妻・美和子(鈴木砂羽)は、そんな勝治を獄中結婚し支えた聖美(陽月華)を取材していたが、その最中に民家で襲われてしまう。勝治は、「犯人は私も殺そうとしていた」と証言。勝治は逮捕当時、遺族の感情を逆なでする言動をしていたため、いまだに彼を恨んでいる人物がいるようだ。
忍成は、映画『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)で元優等生でいじめの主導者である中学生・星野修介を演じ、注目を集めて以降、さまざまなドラマや映画で活躍している。悪役やクズ役のような一癖も二癖もある役を演じることも非常に多い。近年では、『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(2022年/フジテレビ系)で見られたように、妻に寄り添う優しそうな夫のような役を演じることもあるが、この夫も、結局は難アリの人物だった。「病気が見つかったわけでもないのに大袈裟だ」と妻が受ける検査を拒否しようとしたり、「無駄な検査をして検査料を稼ぎたかっただけではないのか?」と病院側を非難したりするのだ。
2月3日に公開される映画『スクロール』では、北村匠海が演じる<僕>の上司を演じている忍成。これが、「さすが忍成修吾!」といえるもので、部下を振り回し、パワハラまがいのことをするが全く悪びれない、徹底的に嫌なヤツなのである。